角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

足元を見る!?

2008年08月25日 | 実演日記


今日の草履は、彩シリーズMグループ23cm土踏まず付き〔4000円〕
和柄の縦縞プリントをベースに、合わせは紺です。先日は合わせをエンジにしましたが、紺もなかなかお洒落ですね。

8月20日のブログでご紹介した、「草履をトイレに飾ると下のお世話にならない」とするおまじない。ここ数日ミニ草履をご覧のお客様に話すと、『ええっ、そうなのっ、あたしももうすぐそういう歳だからねぇ…』と言うお客様や、『おばあちゃんのために飾ろっ』なんていうお客様もいらっしゃいました。いずれにしてもミニ草履の売上増加につながっています。

あるお客様は、『そのことを紙に書いて貼ったらイイんじゃない!?』。しばし考えて、それは止めにしときます。高齢者介護がこれほど多くの課題となっている昨今、やはりそれは“足元を見る”ような商いに近いと思うんです。
これからも言葉でのご紹介はあるにしても、大々的にそれを謳うのはなんか草履職人らしくないと思いました。

埼玉県ふじみ野市からお越しのご夫婦。試し履きをお勧めするときに必ず添える言葉は、『土踏まずの盛り上がりに神経を集中して履いてみてくださいねっ』。こちらのご主人にもそう話すと、『オレは昔から土踏まずがないんだよなぁ』。
いわゆる偏平足と云われる方々は、土踏まずの付いた履物を利用すると改善に向かうという専門家の話がありました。そのことをご主人にお教えすると、足の裏を私に見せてくれたんです。

『小さい頃に喘息がヒドくて、体育の授業は見学ばっかりだったんだよ。ずっと運動に縁遠かったから、足もこんなになっちゃったんじゃないかなぁ』。
偏平足になる理由はさまざまでしょうが、こちらのご主人のように子どもの頃の環境も理由のひとつにあるんでしょう。

試し履きをして気に入ってくださったご夫婦は、それぞれにお好きな配色でオーダーくださいました。
こうした場合も“足元を見る”と言うんでしょうかねぇ。

コメント
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