角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

還暦祝いは「○○○」。

2007年11月28日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ22cm土踏まず付き〔4000円〕
緑唐草をベースに緒は緑、真ん中に紫の無地を配してみました。展示品では久しぶりの三色使いです。
緑唐草は今年も大活躍してくれました。来年からは定番配色に昇格予定です。

西宮家を訪れたことのある方はご存知ですが、米蔵に沿って細い小路があります。ここを通ると米蔵の中に入らず道路に出られるため、米蔵内部をご存知ない方はなんとなくここを歩くことがあります。
でも、ここを通っても私の実演席は窓越しに見えるため、ふと足を止めて中を覗き込む方が少なくありません。草履を編みながらでも、そんな様子がよく分かるんですね。

千葉県鎌ヶ谷市からお越しのおばさま二人旅、こちらのお二人も窓越しに覗き込んでいました。『あらっ、なんか作ってる、草履じゃない!?』とおっしゃりながら入って見え、『まあっ、綺麗な草履!』。うちのおひとりが布草履の作り手で、こうした方ほど私の草履に理解が早いです。

しばらく実演をご覧いただきながら、口頭であれこれご説明しました。『私もやってみたいなぁ』とおっしゃるので、『まず草履台が必要だし、悩まなくて済むように編み方ビデオも必要ですよ。あとイ草の材料も何セットかはないといけないから、じっくり考えてあとから連絡してくれてもイイですよ』とお伝えしました。その場でしばし考えたおばさま、『やっぱり注文して行くっ!』。

するともうひとりのおばさまが、『じゃあ、私がプレゼントしてあげるよっ!』。聞いてみると、草履台を欲しいおばさまは明後日還暦のお誕生日を迎えるんだそうです。誕生日プレゼントと還暦祝いが「草履台」、まさに“パーソナルギフト”じゃないですかね。

10月8日に通算90人目の草履職人が誕生して、草履台の在庫が底を尽きました。翌日から「ご予約で承ります」の張り紙を貼って対応していましたが、今日の鎌ヶ谷市のおばさまで5人がご予約です。
91人目は大仙市大曲のお母さん、92人目が東京都杉並区のお母さん、93人目が横浜市港南区のお母さん、94人目が茨城県北茨城市のお母さん、そして今日のおばさまが95人目です。

今年の実演で記念の「100人」は難しそうですが、来年の開幕早々に100人目をお知らせできると思うと、楽しみは残しておこうという気になりますね。
もちろんそのXデーは誰にも分かりませんが、100人目が「誰か」ということだけはなぜか分かってるんですねぇ。夏からずーっと100番目を狙い続けている「犬博士」さん、お楽しみはきっと来春ですよ~!

コメント
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