角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

どこに住んでも秋田人。

2007年11月26日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズLサイズ26cm土踏まず付き〔4500円〕
巻かれると分からなくなるのですが、このベース生地には無数の「鷲」がプリントされています。緒も比較的同系の辛子色にしてみたところ、なんか洋風な感じがイイですねぇ。お洒落に履いていただきたい一品です。

初雪からいっとき積もった雪も、ここ数日の暖かさで消えました。これでフツーの11月下旬になった気がします。散策のお客様も、『案外暖かいんだねぇ』。でもこんな日はあと幾日もないでしょう、間もなく本当の冬がやって来ます。

東京都八王子市からお越しのお若いご夫婦、共に草履を気に入ってくださり、奥様は展示品から、ご主人はお好きな色でオーダーです。
『角館ははじめてですか?』とお尋ねすると、『私の父がこの近くの出身なんですぅ』と奥様。お父上は旧中仙町のご出身でした。

もうお若い頃に上京し家庭をお持ちになったお父上は、『雪が嫌いで秋田を離れた』と娘さんである女性に話しているそうです。
確かに当地の冬は厳しいです。昨冬こそ積雪ゼロで暮らしましたが、そんなことがこの先たびたびあるとは到底思えません。フツーの冬で積雪1メートル、一昨年の冬は2メートルを超えました。こういう地域ですから、特に冬場の仕事が激減します。通年同じペースで暮らせる首都圏へ向かう若人が多いのは、当たり前といえば当たり前ですね。

女性に、『お父さんもたまには帰省するんですか?』と尋ねると、『滅多に来ませんねぇ』。さらに、『あなたのお父さんだったらまだ若いでしょうから、仕事もしてるんでしょ?』と尋ねると、『はい、現役です。ただ、酔っ払って転んだ拍子にちょっと怪我しちゃってるんですけどね、はははっ!』。

ご存知秋田は「酒の国」、どこへ住んでもそこらへんは秋田人なんでしょうね。12月の忘年会が三つほど予定されています。私も転んで怪我なんかしないように…ですね。

コメント
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