角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

支援は期待薄!?

2007年11月15日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm土踏まず付き〔4000円〕
辛子色のひらがなプリントをベースに、赤のいらかを合わせた配色Ⅱパターンです。
オーダー草履を作る傍ら、毎日少しずつ展示品の補充分も作るのですが、どうしても色の濃い配色になってしまいます。これも寒さによってそういう気分になるんでしょうね。どうやら秋田市で初雪が観測されたようです。角館もいよいよ明日がその日になりそうです。

札幌市からお越しの団体さん、4~5人のお母さんたちが関心高く実演をご覧です。中でもひとりのお母さんが、ずいぶん高い評価を示してくださいました。それは私の草履そのものではなく、草履を編む技術を比較的若い私のような人間が継承していることについてです。

これまでもそういう評価はいただいたことがあります。『年寄りのする仕事かと思ったら、若い人がしてるのねぇ』とか、『お弟子さんをいっぱい作って、ずっーと永く続けてちょうだいね』といったお言葉です。
今日のお母さんはちょっと違ってました。『草履を編める人って少なくなってるんでしょ、あなたのような人は貴重よぉ。日本の伝統文化なんだから、国がちゃんと支援しなきゃダメなのにねぇ』。

私の草履に「国の支援」ですかっ!?あんまりシックリ来ませんが、激励の意味だけはありがたく頂戴しておきます。こちらのお母さん、言葉だけじゃなく草履もお買い上げくださいました。重ねて御礼申し上げます。

こちらのお母さんたちがお帰りになって間もなく、スーツ姿の男性4~5人が入って見えました。うちのおひとりのしゃべり口調に聞き覚えがあります。人の良さそうな関西弁のおじさま、間違いありません、関西選出の大物代議士さんです。

取り巻きの男性は私の草履に一言二言声を掛けて行かれましたが、代議士さんは一旦足を止めただけで足早に立ち去りました。ご年齢からすれば「ワラ草履」に郷愁を憶えるはずなんですが、どうやらこの手の作品はあまり関心がなかったようです。

札幌のお母さ~ん、やっぱり国の支援は無理みたいでーすっ!

コメント
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