角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

比較の違いなんです。

2007年11月22日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm土踏まず付き〔4000円〕
黒地にフラダンスを踊る女性のプリント柄をベースに、緒は赤紫のプリントです。美女の絵柄だからではないでしょうが、妖艶な美しさがありますね。「大人の女性」にいかがでしょう…と思っていた矢先、お買い上げくださったのは私もよく知る女性、お孫さんが三人いらっしゃるおばあちゃんでした。確かに「大人の女性」です、はいっ。

『なに言ってんのぉ、若いくせにぃ~』。数日前、実演席にいた知人の若い女性に対し、その女性をよく知るおばさまが言った言葉です。少しばかり久しぶりに会ったんでしょう、『どう、元気にしてる?』の問いかけに、『最近なんか歳を感じますぅ』に返した言葉なんですね。若い女性は20歳代後半、おばさまは50歳代後半といったところでしょう。

確かにおばさまと比較すれば、女性はまだまだ若いわけです。ただ女性の発言は別におばさまと比較したのではなく、かつての自分自身と比較しての言葉なんですね。そこをきちんと理解できてれば、おばさまの言葉も『そうよぉ、いつまでも若いと思ってたらダメなんだからね。規則正しく生活なさいよっ』となったんでしょう。

少々へそ曲がりの私も年配者との会話の中で、『もう歳だんシよぉ』を使ったりします。案の定年配者は、『ナニ言ってるおごっ、俺よりなんぼ若いってよっ』と返してくるわけです。次に私が言う台詞はいつも決まっています、『二日連続の徹夜はもう無理だんシなぁ』。さすがに年配者も、なにもそこまでとは思ってないでしょう。

ですから私は、自分より若い人が言う『もう歳だんシ』の言葉に、あえて同調するようにしています。たとえば20歳代の人には『人生の四分の一終わってらで』、30歳代の人には『人生の三分の一終わったねぇ』、自分も含め40歳代の人には『あど半分しかねぇどっ』。もうこうなると同調どころか「追い討ち」ですね。

これらはまんざらふざけた言葉じゃありません。健康な体を持ってあわよくば仕事が出来る年齢としたら、かなり条件が良くて80歳くらいが限界じゃないですかね。
10代後半から20代前半、睡眠より遊びを選んでいた時代と比較すれば、現在の自分自身に「歳」を感じないほうがどうかしてるでしょ。前述の若い女性の言葉も、私には実によく理解できます。

今日も降り続く雪、わが人生に44度目の冬がやって来ています。

コメント
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