角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

噂のプレッシャー。

2007年11月05日 | 実演日記

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、スペイン人のご新郎さんへ贈られる「スペイン国旗草履」です。由来を調べると、「血と金の旗と呼ばれ、黄は豊かな国土、赤は外敵を撃退した時に流れた血の象徴」とありました。重く深い意味があるんですね。
それにしても久々の30cm草履、果てしなく編み続けたという印象でしょうか。どうか喜んでくださいね~!

大仙市神宮寺からお越しのおばさまお二方、西宮家ご訪問は草履も目的のひとつだったようで、『あっ、これこれ!』と言いながら入って見えました。おともだちから聞いて来たとのことで、それぞれご夫婦用をオーダーくださいました。

ひとりのおばさまの言葉に少し関西系が入っていたので、『生まれはどこなんですか?』とお尋ねすると、『生まれは神宮寺なんだけど、和歌山へ嫁いで20年暮らしたのっ』。
詳しく教えてくれたのは、和歌山で20年暮らし、その後ご主人のお仕事で千葉県などに暮らしたそうです。つい最近定年を迎え、さて終の棲家は…の話し合いで奥様のご実家、大仙市神宮寺に納まったということでした。
ほんとに人生いろいろですね、『そうだっ、お父さんにこの草履作らせようかなっ!』と張り切ってお帰りです。何十年もの間県外で暮らし、最後は和歌山人のご主人共々生まれ故郷に暮らす。どうぞ楽しい老後をお過ごしくださいねっ!

今日のおばさまお二方もそうですが、「誰かに聞いて…」ということでお訪ねの方が少なくありません。
秋田市にお住まいの男性、60歳代と思いますが、いでたちがお洒落で素敵なナイスミドルです。おそらくお生まれはこの辺りじゃないと思いますね、言葉が限りなく標準語に近い男性です。角館には年に数度遊びに見え、私もこれまで幾度となくおしゃべりしています。

今日少し久しぶりにお会いし、第一声が『いやぁ~、あなたの話をよく聞くよっ!』。『あらら、悪い噂ですか?』と訊いてみると、『はははっ、そんなことはないさ』。
こちらの男性が陶芸をされているのを聞いていましたから、おそらく手作り仲間のような知人がたくさんいるんでしょう。「布草履」はもはやメジャーな趣味ですから、私の噂話もそんなところから聞こえるのかも知れませんね。

それにしても、本人の知らないところで噂話が立つというのは、案外プレッシャーなもんですなぁ。とにかく悪い噂にだけはならないよう、地道に目立つことなく日々を送りたいと思ってます。

土日に開かれた「青空軽トラ市」、様子を写した画像を掲示板へアップしました。こんなことをしていて、「目立つことなく…」というのも変なんですがねぇ…。

コメント
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