角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

熱く、暖かく…。

2007年11月13日 | 地域の話

<生地詳細・素材感>

今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm土踏まず付き〔4000円〕
赤茶基調のひらがなプリントをベースに、紫を合わせた配色Ⅱパターンです。ベース色に暖かみを感じますね、心の暖かいお母さんにいかがでしょう。

昨日ほど天気は悪くなかったのですが、少しくらいのお陽さまではもう暖かさを感じなくなりましたね。明後日は今シーズン一番の寒さになるとのこと、平地でも雪マークが出ています。当地の晩秋としてはこれまで温暖で来ましたが、もう初冬へと向かうんですね。熱い鍋料理が恋しい季節になりました。

先般行われた「全国学力検査」、結果はすでに報道されていますが、秋田県が各分野で一位を獲得しました。わが家の娘は中学三年と小学六年ですから、三人全員がこの試験を受けています。私もそうですが、はっきり言って少し驚いた県民が多かったんじゃないですかね。
『私立は参加していないから…』とか、『全体はそうでも、わが子はどうよ…』てな言葉も聞きましたが、まずは素直に喜ぶべきでしょう。

中央教育審議会が、これからの学校教育について少し指針を変えるようです。「ゆとり教育」を旗頭に数年が経過し、特に「総合的学習」で弊害が現れているそうです。基本的に、間違っていたなら直すということは大切でしょう。

間もなく「総合的学習」が本格導入されようとしていた年、当時の長女の担任といろんな話をしたもんです。二人の考えが合致した点は、『これからはさらに教師の資質が問われる』ということでした。
国語でも社会でも算数でもない教科、ことに「生きる力」を育む授業なんですから、とても学校の先生だけで賄える範疇にありません。「学校は地域と共に歩む」という言葉を、そのまま実行に移すのがこの「総合的学習」じゃないかと思ったわけです。

現場の教師が多忙を極めているのが、このたびの指針変更の理由のひとつと云われています。本当に先生という商売は忙しいですよ、この九年間学校にかかわって来て、掛け値なしにそう思いますね。
ただ思うのは、学校には保護者を含む地域を巻き込む仕掛けが足りなさ過ぎます。世の中見渡してみれば、学校教育に有効と思える活動や事業がいっぱいあるし、また人材もたくさんいますよ。過去に一度だけ「ゲストティーチャー」として教壇に立ったことがありましたが、私なんぞはハナタレ小僧、もっともっと「生きる力」を教えてくれる「地域の先生」がいますね。
何人かの先生に話したことがありますが、学校の先生はもっと地域を知る勉強が必要と思うんです。私には、「総合的学習」が不完全燃焼で終わった思いが拭いきれません。もっと地域を巻き込むことに、熱くなって欲しかったですねぇ。

秋田県が全国一位になった理由の一説に、「家族団らん」が挙げられています。秋田県という田舎では、朝晩みんなでご飯を食べる習慣が根強く残っています。夕食後の宿題や自習も、親が一緒の居間でする子が多いんじゃないですかね。『そんなことも分からないのっ』なんていう母親の小言も、うるさいだけじゃなくちゃんと活きているんでしょう。
家族団らんという心の安定が、そのまま学業成績に現れたとしたら、私はこれが一番喜ぶべきことじゃないかと思うわけです。

学校の先生は「熱く」、家庭は「暖かく」。日々寒さが増す時節に、そんなことを考えています。

コメント
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