角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

心もいっぱいお腹もいっぱい。

2006年10月31日 | 実演日記
今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
黄色基調に、ハイビスカスなどの植物がプリントされた綿生地がベースです。沖縄県をイメージしたものですね。緒をエンジの「太陽」に見立て、タイトルは「琉球の夢」でいかがでしょう。

今日の角館は、一日中青空でした。気温もほどよく上がり、まさに実演日和だったわけですが、朝から自宅にこもり草履作りをしていました。遅れ気味なオーダー草履も少し進みましたから、こういう日も大事です。

路上ライブの序盤が終わり、西宮家の中と路上の違いが面白いです。その一つが「差し入れ」、西宮家の中では、たまに缶コーヒー程度の差し入れをいただくことがありますが、食べ物というのは滅多にありません。これが路上に出ると、いろいろな差し入れが届きます。
たった二日間でいただいた差し入れは、手作りカステラ・洋菓子・カップラーメン・おにぎり・みかん・笹かまぼこ・チーズ。
さんさんサンのご友人からの差し入れもありますが、知り合いのおばさんや観光客の方が置いていかれるケースもありました。こういうのは西宮家では皆無です。

思うに、路上ライブというものには、「親しさ」「気安さ」が前面に出るんじゃないでしょうか。私はこれに、商売の「原点」を感じるわけです。
軒先に商品を並べ、店主(店員)も同様に外へ出る、道行く人々と挨拶を交わし、世間話をしながら品物を見定める。古き良き時代の商店って、だいたいこんな感じだったと思うんです。これは、現在のコンビニやスーパーマーケットにはありえない「空気」です。

日本全国から角館を目指す方々は、当地にこうした「空気」を期待してるんじゃないのかな‥と思うのは、路上ライブで強く感じるんですね。
西宮家の蔵の中ですと、同じ草履でも高級感が感じられます。「箔がつく」みたいな感じでしょうか。けれども、割烹着を着た地元のおばちゃんたちとの会話は少ないです。
路上に出ると、商品の高級感は乏しくなります。軒先に高級品は並べませんからねぇ。けれども、道行く人たちが実に気安く立ち止まってくれます。そして中には「差し入れ」となるわけです。

いろんな人たちとの出逢いと会話で心がいっぱいになって、そして差し入れでお腹もいっばいになる、残り五日間の路上ライブを満喫したいと思います。

あっ、これから訪ねて見える予定の方に、差し入れの催促をしてるわけじゃありませんからね、念のため‥

コメント (4)
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