角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

「ズレ」、いろいろ。

2006年10月19日 | 実演日記
今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
黄金トンボにエンジを合わせた、配色Ⅱパターンです。太陽の下、黄金に実る田んぼを連想させますが、実際はどこの田んぼも収穫がすでに終わっています。時期的には少しズレています。

今日も好天に恵まれた角館。気温もぐんぐん上昇し、最高気温24℃、9月下旬の気候です。東京からお越しの男性も、『いやぁ、東京と変わらないね、厚手のスーツなんか必要なかったヨ』。
10月も下旬に差しかかろうとする今日、この気温は明らかにズレています。

実演ベンチに置いてある座布団二枚、ホームセンターで買った安物の座布団なんですが、これがイ草で編んだように見えます。
アジア系外国人の女性が、私の隣りに置いてある草履材料のイ草と、この座布団を見て思ったのでしょう、『座布団、作ッテマスカ?』。
『いえいえ、草履を作ってます』とお応えすると、『オォ~、草履!ココハ昔、履物屋サン?』。

これまでお客様の質問に、二度続けて「NO」を言ったことはないと思います。質問がちょっとズレてましたね。

大仙市太田からお越しの奥様、試し履き草履を指差し、『これがイイなっ』。『それは7月にあった材料で、もう今は作れないんですよぉ』とお応えすると、『ううん、この草履を買って行きたいのヨ、だいぶ履き慣れてるみたいだし、こういうのがイイの!』。

いくら「こういうのがイイ」と言われても、何百人ものお客様が試し履きした草履を販売することは出来ません。こちらのお客様には、どうにか説得して新品をお買い上げいただきました。
いろんなお客様がお見えになるというのは今さらですが、フツーの考えからは‥なんと言いますか‥ちょっと‥ズレてるような‥。

東京からお越しのおばさま、展示してある草履を眺めながら、『鼻緒が全部ズレてるんだけど、どうして?』。
私の草履は右足用と左足用がありますから、こればかりはズレていて当たり前なんです、はい。

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする