角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

こんなとこにも不景気が‥。

2006年10月27日 | 地域の話
今日の草履は、一般綿生地シリーズMサイズ23cm〔3000円〕
藍色トンボに黄金トンボを合わせた、配色Ⅱパターンです。色調からも、深まり行く秋が連想されます。

今日の角館は、小雨がパラついたかと思うと一面青空に変わる、まさに変わりやすい秋の天気でした。気温はそれほど低くなく、綿入り作務衣を洗濯している私にとっては、ありがたい一日でした。

今日は実演をお休みして、朝一番に久しぶりの散髪をしてきました。西宮家に入っていると、なかなかこういう時間が取れません。頭に手拭いを被っているのが、尚更散髪の緊急性を乏しくさせるようです。
しかしこの手拭い、通気が悪くなるせいで髪の毛には良くないとのこと。『元々細い髪がもっと細ぐなってらねがー』、床屋さんに注意を受けました。

『忙しいが?』と尋ねると、『みんなアンタと同じダ、毎月来てらった人が二ヶ月経だねば来ね』。
こう不景気が長いと、床屋さんへ行く間隔も長くなるようです。

午後からは、三女の学校のPTA事業の準備に出かけてきました。明日行われる「学習発表会」に合わせ、PTAが主催する「リサイクルバザー」の陳列・値付け作業です。
PTA世帯から不要品をご提供いただき、必要とされる世帯へ格安で販売するのがこの「リサイクルバザー」、なにしろ仕入れ経費がありませんから、売上がそのまま収益となり、子どもたちの校内備品購入等に充てられます。

私がはじめて「リサイクルバザー」に携わったのは、双子の娘が小学一年生のときですから、もう8年も前になります。当時は7万円程度の売上があったのですが、近年は3万円台にまで落ち込んでいます。主たる理由は、提供品の質と数が共に低下しているからです。

もちろん「提供品」なんですから、何を出そうがあるいは何も出さなくても文句の言えるものではありません。提供された品物を、私たちスタッフは黙々と陳列し値段を付けていけばイイわけです。でも、永くこの事業に参加していると、やはり「不況の影」を感じぜぬにはいられないんですね。
どこの家も、頂戴した慶弔引き出物でタンスの肥やしになっている一つや二つはあるもんです。それがなかなか出て来なくなったのは、参列側では祝儀や香典をそれなりに苦労して捻出した記憶、施主側では引き出物に数十万円を支払った記憶がブレーキになるからだと思うんです。
草履職人となる以前はギフト業にも携わってましたから、そういう人間模様に多少敏感になっているのかも知れません。

とかなんとか言いながら、何年か前に私が販売した「タオルケット」がリサイクルに出されたことがありました。それはそれで寂しく感じるんですから、人間というのはわがままなもんです。

コメント (2)
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