緑陽ギター日記

趣味のクラシック・ギターやピアノ、合唱曲を中心に思いついたことを書いていきます。

運指クイズに挑戦(3)

2024-01-24 22:04:59 | ギター
運指クイズの3回目は現代ギター1983年6月号に掲載された、ヴィラ・ロボスの前奏曲第4番と練習曲第1番からの出題となる。
ヴィラ・ロボスの曲を初めて聴いたのが、イエペスの6弦時代の録音で、練習曲第1番と前奏曲第3番とショーロス第1番だった。
中学2年生の時だった。

イエペスの弾く練習曲第1番の驚異的なスピード、それは神業と言っても大袈裟でないほどの速さだったと今でも思っているのだが、中学生だった当時、あらゆるジャンルのギターの中で最も難しいのがクラシック・ギターだと確信するに至った曲でもある。
そして同じクラスで、エレキギターこそがギターの中で最も難しいと信じて疑わず、有頂天になっていた同級生にこのイエペスの超絶技巧を聴かせてギャフンと言わせてやろうと思って、テープレコーダーを学校に持っていってそいつにテープを聴かせたものだった。

その後まもなくジョン・ウィリアムスの弾く前奏曲第4番を、NHKギターを弾こうのミニミニコンサートで鈴木巌氏の演奏で前奏曲第1番やショーロス第1番を、高校に入ってからはジュリアン・ブリームの演奏でブラジル民謡組曲(4曲)と12の練習曲集、セゴビアの弾く前奏曲第1番、イエペスの10弦ギターでの前奏曲集、そしてジュリアン・ブリームの演奏でギターと小オーケストラのための協奏曲と順次聴いていった。
楽譜は全て紙質の悪い、誤植の多いマックス・エシッグ社によるものだ。運指は殆ど付いていない。

前置きが長くなったが、今回の出題は以下のとおり。
まずは前奏曲第4番の冒頭。左指の運指を付けるというもの。



次に、練習曲第1番の終結部手前のアルペジオに左指の運指を付けるというもの。





練習曲第1番の方は難しくはないと思う。指の置き換えを最小限にするため、同じ音を押さえている指は離さないでいるという考え方だ。
前奏曲第4番の方はどうか。
オリジナルの譜面は弦の番号が印刷されている。出だしの音は何と3弦が指定されている。
この指定で弾いているのはジョン・ウィリアムスの先述の録音くらいか。ナイロン弦と金属弦との音は本質的に違うから、音の統一性を考えるのであれば、出だしの音は必然的に3弦ではなく4弦になると思う。実際、ブリームを始め多くのギタリストは4弦で弾いているはずだ。
次に1小節目3拍目最後の音(レ)から2小節目最初の音(ミ)にかけてアラストレの指示が記載されている。
となるとこの両音の運指は1となるか。以下、私の答案である。



しかし3小節目最後の音(レ)から4小節目最初の音(ミ)にはアラストレの指定が記載されていない。





丁度1段目最後と2段目最初に小節がまたがるから、記載を省略したのか?。あるいは記載したけど、印刷用に写譜する際にオペレーターがアラストレの線の意味が分からず、記載漏れしたのか。ここもアラストレとなるのが自然だと思う(それとも2回目は1回目と差異を付けるためにアラストレはあえてつけなかったのか)。

練習曲第1番の答案は下記。





解答は後日に。

【追記】

10代から20代にかけて少しずつ集めてきたマックス・エシッグ社版の楽譜をこの機会に本棚をから引っ張り出して(みんな異なる位置に差し込んであったが)、写真にとった。
一番最初に買ったのは前奏曲第3番。これは中学3年生のときに、兄が札幌のヤマハで買ったものを後で譲ってもらった。
次が前奏曲第1番とブラジル民謡組曲の「マズルカ・ショーロ」。これは高校2年生のときに好楽社から切手で買ったものだ。
それから大学1年生の時にあの暗い店員のいた札幌のかさはら3条ギター店で12の練習曲集を買い、次は好楽社から前奏曲第2番、その後はブラジル民謡組曲の「ワルツ・ショーロ」や前奏曲第5番だったと思うが、それ以外は就職で東京に出てきてから揃えていったような気がする。









下の楽譜の2曲目(第2番)の調性が「ハ短調」と誤植になっている。

















何を付けたのか?。広範囲にわたって染みが付いている。





一番最後に買ったコンチェルト。



ブラジル民謡組曲のショリンホだけは買っていない。





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