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世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

「自分のせいと思わない」とか言ってないでやってみな

2005年10月25日 | Weblog
もう月末なのね。
早い…。

溜め息を吐きながら、卓上カレンダーを見る。残業真っ最中の20時47分。

本社に来てから、会社用のカレンダーは鳩居堂の猫の絵柄のものにしている。

手書き風のタッチで描かれており、四季折々の風景の中で猫達が戯れているものである。
そこに吉熊似の上司の写真をセロテープで貼付している。
猫達の頭上や視線の先に彼の写真を貼付し、吹き出しで猫達を喋らす。

毎月、それを見る吉熊上司は「やめろよなぁ~」と突っ込んできた。
「ふふふ」と笑う私。
毎月、そんなやり取りが楽しみだった。

そんなことが当たり前だと思っていた。

でもやはり彼も人間。
あの事件(7月8日記載の件)がキッカケで、私たちの間には溝ができていたのだと思う。
隣の席に座っているのに、彼はアラスカに行ってしまったのではないだろうか、と思うぐらい…彼の存在を遠くに感じた。
会話もなく、淋しかった。

ヤケクソにもなった。

今日は久々に二人っきりで残業。
キーボードを叩く音しかしない。
そんな緊迫した時間を、全力で駆け抜けた。

商店街までの道。
「久々だね。こうやって二人で帰るの」
「そうですね。半年振りじゃないですか?」
「そんな昔だったけ?」

ぎこちない会話をしっとりした秋の空気が優しく包む。

「今日は遅くまでありがとね。じゃ!」
そう言って、吉熊上司は自電車で去っていった。

遠くなる背中を見ながら
「あの時は、すいませんでした」
と口にし、頭を下げた。

いつか、こんな日が再び来るとは思わなかった。
でも、必ず現状を打破してやるという意気込みを一生懸命保ち続けていた。
そんな数ヶ月だった。

彼を上司として尊敬する気持ちは、以前と変わらない。
いや、それ以上だ。
それに加え、仕事に対する考えが私の中で変わった。
二人の関係に於いて、より一層深く確かな信頼性を培養したいと思う。

潔癖症なのに飲み会で私の嘔吐物の処理をしてくれた、
私の仕事のミスを庇ってくれた、
ミスチルのCD「シフクノオト」を貸してくれた、

そして、こんな部下も見捨てない

…最高の上司である。


戦い抜いた季節が、今、やっと終わる。

明日から、また新たな戦いが始まるのだろう。