世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

どうして、私が?

2005年10月28日 23時59分53秒 | Weblog
やっと金曜日に辿り着いた。
…脱力。
軟体動物のように、「でろ~ん」と力が抜ける。
一先ず、週末は軟体動物と化しよう。

今週はずっとピョンピョン跳ねていた。
比喩ではなく、実際に。
シンセを操る小室哲哉氏レベルの忙しさを超越した一週間であった。

コンビニの袋と疲労をぶら下げての帰宅途中。
突然、若い殿方から声を掛けられた。
「お願いがあるんですが」
なんか、顔が赤い。
酔っ払っているようだ。
…!!
この人、前に声掛けてきたことある!!

「今度、一緒に飲みませんか?」

すっかり二度目なのを忘れて、しゃあしゃあと言うではないか。

「嫌です。胃が痛いですし。っていうか、二度目ですよね?」

私がそう返答すると、彼はやっと思い出し
「そうそう!!二度目だよね!?あの時、今度会ったら飲もうって言っていたよね?
ねぇ、今から飲まない?」

と、しつこく言い寄ってきた。

め、面倒くせぇぇぇ~!!
究極に面倒だぜ。
残業終えて、一週間の疲れを癒す週末モードに入っていたのに。
そのルンルン気分が台無しではないか。

「私、一人が好きなんです。」
きっぱり言う私。

「じゃあ、彼氏いないの?じゃ、これから一緒にホテルに行こうよ」

「…」
激しい胃酸の逆流が食道を襲う。
吐きそう。
少しカッコいいからといって、
この自信はどこから湧き出づるのでせう。

ああ、気持ち悪い。

酔っているといえど、そのような自分の欲望を会って間もない他人に
無邪気に告げられる人間の神経を疑う。

きっと、「俺が誘えば女はみんな乗るんだぜ」とか思ってるんでしょ?
そうやって、遊んできたんでしょう?

残念。

私は私が一番大好きなんだな、これが。
そんな私が、何故あなたのお望みを叶えなくてはならなくて?
それに、あなたみたいな非常識で無礼な人間は、一番嫌い。
だから、あなたの欲求は聞きたくない。
聞く義務もないし、あなたが私の煌びやかな金曜の夜を穢す権利もないはず。

世の中の行きずりの恋を非難こそしないが、私には似合わないし趣味ではない。
似合わないものを身に付けるのは嫌だ。

そもそも、今は一人で黙っていたい。

吐き気と胸元を抑えつつ、
「…このぐらい、嫌です。」
と告げる。

殿方はヘラヘラ笑って
「じゃあね」
と言い残し、駅の方に歩いていった。

ハイヒールを脱いで走る。
家に着くなり、嘔吐した。

私が尻軽に見えたから、彼は声を掛けたのだろうか。
そういう風に見られた自分が気持ち悪い。

一週間の締めくくりを最悪のカタチで迎えてしまった。
しかも、見ず知らずの他人に。

ムカつく。
悔しいから、この週末は充実させてやる。


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