晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

服部真澄 『龍の契り』(再読)

2019-01-06 | 日本人作家 は
いちおうまだ松の内なんでハッピーニューイヤー。
今年も駄文にお付き合いいただけたらありがたいと
思っとりますです。

去年に投稿したのが43冊。このブログをはじめた
当初は「目指せ年間100冊」なんて思ってたもの
でしたが、まあのんびりいきましょう。

さて、再読です。
2008年12月8日に投稿していますね、この「
龍の契り」と他2冊。
ブログの編集画面にいきますとアクセスの多かった
ページ(前日分)というのがありまして、そこで割
とコンスタントに出てくるんですね。
で、そのページを見てみますと、本のあらすじすら
書いてなく、ただ「面白かった」的な。

年末、本棚の掃除アンド整理をしていましたらこの
本を手に取って「あれ、どういう内容だったっけ」
と考えること数分。思い出せません。
というわけであらためて読み返してみました。

1997年に香港の主権がイギリスから中国に返還
されたわけでありますが、じつはその裏で・・・と
いった話。

話はその15年前、ロンドンの撮影スタジオで火事
が起きて、この時ビルの3階ではファッションモデ
ルの撮影が、4階では政府関係?の撮影が行われて
いました。この火事で生き残った4階にいた、イギ
リス外務省の職員は、燃え盛る炎の中、重要な書類
を「何者か」に渡したか奪われたかしたのです。

当時のイギリス首相サッチャーは、中国との会談で、
あっさり香港の返還をオーケーします。
ですが、じつは「あっさり」ではなく、1997年
以降もイギリスの主権が続く「ある文書」があった
のですが、その文書が紛失してしまったので、条約
のとおりということになったわけですが、文書はま
だあるということが分かったのです・・・

話は変わって、イギリスに留学中の日本の外交官、
沢木のもとに、日本に戻って情報調査局に配置換え
の命が。それは、日本の金融恐慌は「ある見えざる
力」によって起こされたもので、それを探るのです
が、その(組織)の(資金源)は香港でマネーロン
ダリングされたブラックマネーということが分かり、
沢木は香港へ。

一方、アメリカの「ワシントン・ポスト」誌の編集
者、メイミ・タンは、お抱えのライター、ダナに、
「香港に取材に行ってほしい」と頼みます。その取
材というのは、ある(組織)に関することなのです
が・・・

さらに話は変わり、日本の(ハイパーソニック)社
の社長、西条のもとに、あるハリウッド女優がビジ
ネスの話を持ちかけます。そして女優と西条は中国
へ・・・

この3者の向かった先は、上海香港銀行。この銀行
を(支配)している(ある一族)も、来たる香港の
返還に頭を悩ませています。
じつはこの一族、香港がイギリスに割譲されること
になった「アヘン戦争」にも関わっているという歴
史もあるのですが、この一族にとって香港が返還さ
れることで何がしかの不都合が生じて、是が非でも
失った「文書」を見つけたいのですが・・・

この作品が出版されたのが1995年。つまり香港
がまだ返還される前ということですが、20数年後、
あの時に交わされた「一国二制度」は、守られてい
るとは言えません。
あらためて読み終わった感想としては、情報過多だ
なとは思いつつも、ものすごい肉厚なアクションエ
ンタテインメント。
メインテーマとしてはいささか中国を持ち上げすぎ
な感もありますが、まだこの当時は「眠れる獅子」
だったのでまあ仕方がないといえば仕方ありません。


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