晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

辺見庸 『もの食う人々』

2018-12-26 | 日本人作家 は
我が家の書棚には、まあ小説しかないというわけでは
ありませんが、じっさい9割以上は小説。
ノンフィクションやルポルタージュというジャンルは
数えるほどしかありません。
別に避けてるとかそういうことはないのですが、大抵
は気が滅入るような内容だったりするので、読書はリ
ラックスタイムにしている者とすれば進んで手にする
ジャンルではありません。

料理本はいっぱいあります。料理も趣味ですので。

この『もの食う人々』は、じつは前から気にはなって
ました。でもルポルタージュかあ・・・と、買うのに
二の足を踏んでいたのですが、何かが吹っ切れたのか、
読まず嫌いを卒業。この支配からの卒業。

さて、作者の辺見庸さんは元通信社の特派員で、報道
の賞や芥川賞も受賞されています。
この作品は講談社ノンフィクション賞、JTB紀行文
学賞を受賞しています。

この飽食の時代、食べ物を輸入しておきながら食べず
に捨てるという状況にいつかしっぺ返しがくるだろう
ということを踏まえ、いま一度「食」について考えて
みよう、世界中の異文化を見てみよう、といった内容。

バングラデシュ、フィリピン、タイ、ベトナム、ドイ
ツ、ポーランド、クロアチア、セルビア、ソマリア、
エチオピア、ウガンダ、ロシア、ウクライナ、韓国を
旅して、その土地の料理を食べるのですが、残飯あり、
放射能汚染の食材ありと、壮絶。

水道の水を飲んでも大丈夫な国は世界じゅうで20か
国あるかないかだそうで、日本はその「大丈夫」な方
に入っていますから、海外旅行の手引きでは、はじめ
の段階で「生水は飲むな」という注意があると思いま
す。

私的な話ですが、インドネシアに滞在していたとき、
行ってから数日は、日系のデパートやオフィスビルに
入っているレストランやカフェでの食事が中心でした
が、慣れてきたら路上の屋台で持ち帰りを試してみて、
すると案の定、トイレに通う羽目に。なにしろ麺の持
ち帰りが容器ではなくビニール袋でしたからね。
あのときほど日本から持って行ったラッパのマークの
黒い丸薬に感謝したことはありませんでした。

しかしこの辺見庸さんの食紀行は、件のラッパのマー
クじゃ効かないレベル。大丈夫だったんでしょうか。
検索してみたらブログがあり、最新の投稿は今年でし
たから、大丈夫だったんですね。

今年の投稿はおそらくこれが最後となります。
みなさま良いお年を。

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