非国民通信

ノーモア・コイズミ

ようやく1回目

2021-08-16 00:46:02 | 社会

 先日、自衛隊の集団接種会場でようやく新型コロナウィルスのワクチン接種(1回目)を受けることが出来ました。一方で私の住む自治体の接種は今なお受付開始日すら未定の状態が続いています。この辺りの地域格差はどこに起因するのでしょうね。隣接する自治体の中には前月から受付をスタートしているところもあります。説明がない以上、とりあえず市長が無能なのだとでも思っておくしかなさそうです。

 なお勤務先の職域接種に関しては、9月から一般社員も対象者として開始されることになりました。こちらは他の企業と比べるとどうなのでしょう。早い段階から接種を進めてきた企業や大学の存在も広く報道されてきたところですが、それがレアケースなのかマジョリティなのかは今ひとつ分かりません。公表されるワクチン接種者の割合は意外に高いものの、感覚と一致しない人も多い気がします。

 上記の通り勤務先の職域接種は9月からなのですが、予約自体は1ヶ月以上前から取ることが出来ました。予約自体は早めに取れるとはいえ……接種まではそれなりに待たなければなりません。一方で自衛隊の集団接種は、予約の受付開始日から3~4日後から6日後という非常に短いスパンでしか予約が取れない仕組みになっているわけです(ex.8月16日の予約受付分であれば8月19日~22日の期間限定)。

 両者ともそれ自体は悪いことではないのかも知れませんが、全体の舵取りとしては少し問題があるように思います。多くの人々が一日でも早くワクチン接種を受けたいと願っている中で、1ヶ月以上先の予約が取れたからと黙って待つでしょうか。職域接種は1ヶ月後、しかし自衛隊の集団接種ならば直前の週になるまで予約の可否が不明――このような状況は接種希望者を大いに迷わせるものです。

 自衛隊の集団接種は残念ながら、望めばいつでも予約が取れる状況にはありません。予約の受付開始時間からずっと張り付いていても、本当に運のいい人だけしか予約の取れない状況が今しばらく続くことでしょう。私自身も予約にチャレンジするも弾かれる日々を1ヶ月以上続けた後にようやく、集団接種の予約画面まで進めたわけです。そこで、9月まで待てば職域の接種が受けられるけれどもどうしよう、と。

 少し逡巡しましたけれど、結局は1ヶ月ばかり早く打てる方が大事と判断し、職域接種の方は断りを入れて自衛隊の集団接種の方で予約を入れました。ワクチン接種を受けられる日程が早まったので、個人的には良かったと思っています。でも、日本全体としては一度予約で枠が埋まったところにキャンセルが生じたわけですから、あまり良くないことでもあったに違いありません。

 ただ似たようなことをした人は、私の他にも多いのではないでしょうか。かなり先の日程で予約が取れたけれど、後に直近の日程で予約が取れることが判明して、予約済みの接種をキャンセルした人は結構いるはずです。褒められたことではないとも思いますが、しかしウィルスと、感染リスクを広げるような行動を続ける人々から身を守るためにはやむを得ません。

 これを防ぐためには、ワクチン接種を国民の自由に任せず、政府が有無を言わさず日程まで含めて割り当てていくほかないでしょう。そうすれば、少なくとも予約のキャンセルは生まれず、接種の効率は上がります。ただ国民を厳しく統制していたはずの社会主義国ですら、政府の計画した通りに物資が行き渡ることがなかったという歴史からは、学べるものがあるように思います。

 物資を必要な数だけ用意したつもりでも社会主義国では随所に不足が生じました。ましてやワクチン接種は日程も含めて国民の任意、いわば市場原理のごときものに任されているわけで、当然ながら相応の余剰なくして適切な配分は実現されません。当初の調達予定のワクチン数で足りると考えていた人は政府の中にも多かったように思われますが、それは古くさい計画経済の発想ですね。

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 なお職場でも新型コロナウィルス感染に対する姿勢は二極化していると言いますか、警戒している人もいれば全く意に介していない人も少なくありません。ワクチン忌避者に配慮してか、「ワクチン接種の有無で業務上のアサインを変更するようなことがあってはいけません」とのお触れが親会社から届いてもいます。しかし、機会があってもワクチン接種を受けないような人と机を並べさせられることこそが権利の侵害じゃないかと思うところです。

 たとえば頭皮にデリケートな問題を抱えているとの理由でヘルメットの着用を拒否する人がいるとしたらどうでしょう。たしかにヘルメットの着用は任意であって強制ではないかも知れません。しかし、ヘルメット着用拒否者に工事現場への立ち入りを禁止したり、オートバイへの乗車を禁止したりするのは差別でしょうか? ワクチン接種を拒む人に同程度の禁が課されたとしても、それは不当な取り扱いには当たらないはずです。

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