非国民通信

ノーモア・コイズミ

再来年はひどいことになりそう

2018-11-11 23:23:14 | 社会

迷惑度「急上昇」、満員電車の背負いリュック(東洋経済ONLINE)

全国72社の私鉄が加盟する日本民営鉄道協会(民鉄協)では、毎年ホームページ上でアンケートを行い、その結果を「駅と電車内の迷惑行為ランキング」として発表している。現行のスタイルでアンケートを始めた2009年から昨年までの9年間の推移を見ると、「荷物の持ち方・置き方」が2009年の12位から2017年には3位に上昇していることがわかる。

このアンケートでは、それぞれの迷惑行為の内訳についても質問を行っている。「荷物の持ち方・置き方」の内訳は以下のとおりだ。

この内訳を見ると、荷物の持ち方や置き方のうち、もっとも迷惑に感じるのはリュックサックやショルダーバックの持ち方だということがわかる。こうした状況を受け、関西では今年3月に20の鉄道事業者が共同で「車内でのリュックサックは、前に抱えるか網棚の上に置くなど、他の方のご迷惑にならないようお願いします」というポスターを掲出した。首都圏では各鉄道会社がポスターやステッカーの掲示に加え、アナウンスにより、マナー向上に取り組んでいる。

 

 生活保護受給者や学校給食費の未納などは声高に非難されることが多いものですが、一方でNHK料金や国民健康保険の未納については、あまり非難されることはありません。違いは、どこにあるのでしょうか? 前者と後者、決定的な違いは「数」だと私は思います。すなわち少数派か多数派か、と言うことですね。

 生活保護受給者は、とにかく数が少ないので、それを不正な受益者と見なしてバッシングしたところで反撃を受ける恐れはありません。学校給食費の未納者も同様ですね、未納者が少ないからこそ安全な場所から攻撃できるわけです。一方でNHK料金や国民健康保険の未納者ともなれば、至る所に存在します。今あなたの隣にいる人が未納者である可能性だって否定できません。未納者を非難すれば、周りの未納者から逆に責められることだってあるでしょう。

 今回の引用元で伝えられている「リュック」は、果たしてどういう理由で迷惑がられているのでしょうか。本当に迷惑度合いが高いためにやり玉に挙げられているのか、それとも「安心して非難できる」少数派だからこそ頂点に輝いたのか、幾分か判断に迷うところです。少なくとも「皆がリュックを背負っているのが普通の」社会であれば、それは迷惑行為でなくなるのですから。

 なお「荷物の持ち方・置き方」の順位が上昇する一方で、その他の項目には大きな変動が見られません。でも、「混雑した車内で新聞や雑誌・書籍を読む」辺りはどうなのでしょう。新聞や雑誌の売り上げは、急落しているわけです。新聞や雑誌がこれほどまでに売れなくなっているのに、それを迷惑行為と感じている人の率には影響が出ていないとすれば、なんとも不思議なことです。本当に迷惑な行為なのか、ただ単に迷惑だと「感じている」だけで実体を伴わないのか、そこも判断に迷います。

 

平成29(2017)年度 駅と電車内の迷惑行為ランキング - 日本民営鉄道協会

 ちなみに調査元では、「男女別」の集計結果なんかもありました。男性が回答する迷惑行為の1位は「騒々しい会話・はしゃぎまわり等」で、第2位が「歩きながらの携帯電話・スマートフォンの操作」、一方で女性の回答した迷惑行為の1位「座席の座り方」、第2位が「荷物の持ち方・置き方」とのことです。

 「騒々しい会話」云々は女性回答でも3位、「座席の座り方」は男性回答でもやはり3位と、全体では似るところもありながら、それでも男女で順位に差があるのは興味深いところです。概ね、座席の座り方で女性に迷惑を掛けるのは男、騒々しい会話で男性に迷惑を掛けるのは女、という傾向があるのでしょう。

 いずれにせよ用意された選択肢の中から回答するシステムのようですので、生の声からは少しばかりずれたものになっているところもあると思います。「抱きかかえた子供を振り回して子供の靴をぶつけてくる人」とか「二人で力を合わせて人を押しのけようとするカップル」とか、選択肢以外にも色々と思い浮かぶのですが――「行楽客」こそが迷惑王なんじゃないかと、私なんかは思いますね。

 「旅の恥は掻き捨て」とも言いますが、老若男女、人種国籍を問わず行楽客のマナーは酷いものではないでしょうか。日頃は元気のない高齢者も日頃は大人しい若者も、国元では真面目な外国人も、いざ遊びに出かけるとなればキャリーバッグを振り回し、仲間と共に人目も憚らず騒ぎ出すものです。一時は京葉線で浦安方面に通勤していたのですが、ディズニーランドに向かう客の傍若無人ぶりは、筆舌に尽くしがたいところがありました……

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