非国民通信

ノーモア・コイズミ

派閥が変わったぐらいかな

2009-07-13 22:51:18 | ニュース

自民 48→38  民主 34→54  公明 22→23
共産 13→ 8  社民  0→ 0  その他 7→ 4

 さて、東京都議会選挙の結果が出ました。どこも自民党と民主党の動静を追うばかりで共産党に関しては情報も少なく、蓋を開けてみるまで議席が減るのか増えるのか予測できない部分があったのですが……一気に5議席も減らして8議席という結果でした。得票数はそれほどでもないらしいのですが、結果は惨敗です。一方で与党勢はと言えば自由+民主党が合計で10議席の増加、公明党が1議席の増加でした。うん、これで当面の石原都政は盤石ですね。

 まぁ、与党内部でも派閥の勢力図が変われば多少の変化はあるかも知れません。一口に自民党政権と言っても昔年の自民党と今の自民党では雲泥の差です。与党として君臨する政党に変化がなくとも、党内部の変化によって方向性が大きく変わる、そんな可能性に期待するしかないでしょうか。

 とはいえ、今までの実績からすれば果てしなく微妙です。結党以来、一貫して石原都政に賛成票を投じてきた民主党が突如として反旗を翻したのが先の東京都知事選であったわけですが、選挙期間後はどうだったのでしょうか? 選挙期間中は「野党」を自称していたにもかかわらず選挙が終わるや与党に逆戻り、これでは森田健作も真っ青の大嘘つきです。議会内部での勢力図の変わった今回はどうなのでしょう、党首である鳩山は社民党や国民新党との連携解消を仄めかしてきたわけですが、その前に民主党は都議会における自民党及び公明党との連携を解消してほしいものです。それができないなら、単に与党内部での勢力争いを繰り広げているだけですから。

民主「最低賃金千円」、マニフェストに明記へ(朝日新聞)

 民主党は10日、総選挙のマニフェスト(政権公約)に、最低賃金を全国平均で時給千円とする数値目標を明記する方針を決めた。低賃金労働の改善に向けた象徴的な政策と位置づける。ただ、党内には経済情勢の悪化で慎重論も強いため、中小企業への補助も併記することになった。

 最低賃金の大幅引き上げは07年参院選の公約に盛り込まれたが、中小企業を中心に経営者側に反対が強かった。党内からも「千円に引き上げたら、解雇の口実にされかねない」として、明記を見送るべきだとの声が出ていた。

 だが、見送った場合は低所得に苦しむ若者から「後退」とみられかねないと判断。時期を明示せず将来目標とし、正社員と非正社員の均等待遇や派遣労働見直しなどとあわせ、改善に取り組む姿勢をアピールしたい考えだ。

 08年度の最低賃金は全国平均で時給703円。北海道、東京、京都などで生活保護水準を下回る「逆転現象」が問題化している。連合は今年度は全国平均で15円程度の増額を求め、長期的には900円超を目指す。ただ91年度以降は30円以上増えたことがなく、「千円」達成のハードルは高そうだ。

 さて、大選挙区の都議会選ですら民主党の圧勝ですから、小選挙区の衆議院選となれば民主党のダブルスコアもありそうです(現に都議会選でも、1人区は民主党の6勝1敗でした)。あまり民主党には期待できないのですが、ここで取り上げた最低賃金の引き上げなんかは評価してやりたいですね。どこまで実行できるかは微妙ですが、誰かが手をつけないことにはどうにもならないところですし。

 どうしても日本では経営者目線でしかものを語れない人が多いようで、経営側の論理が被雇用者であるはずの人から主張されるという逆転現象ばかりが目立ちます。最低賃金の引き上げが論議されるとき、しばしば労働者側の取り分よりも経営の存続の方が憂慮されがちです。生活保護水準以下の低賃金で人を働かせることでしか経営を維持できないような雇用主であろうとも、まずは何とかして守ろうとする、会社が存続してこそ労働者の雇用も維持されるのだからと、雇用を人質にとって会社の利益を守ろうとする、そうした主張が幅を利かせているわけです。

 民主党もその辺には配慮しているようで、「中小企業への補助」によって低賃金労働に依存することでしか利益を上げられない企業を守ることもマニフェストに盛り込むようです。たぶん、それは問題の先送りにしかなりません。いくら補助金で当座を凌いだところで、欠陥企業はいつまで経っても欠陥企業です。低賃金労働に依存することでしか利益を上げられない企業を延命させるために補助金を投入するくらいなら、もっと別の使い道を考えた方がよいでしょう。まともな賃金を払ったら潰れてしまうような会社にはさっさと退場願って(利益が上がらなくとも公的な必要性があるものに関しては、企業ではなく国や自治体が責任を持つこと)、その代りに失業給付金などの社会保障を手厚くすること、欠陥企業に金を出すのではなく、労働者に金を出すべきです。そうしない限り、症状を抑えることは出来ても病を完治させることは出来ませんから。

 後はまぁ、ちゃんと時給換算させることです。時給労働者と違って(名ばかり)正社員の場合は往々にして月給ベース、1時間当りの給与が問われないことが多いですから。1時間当りの給与はバイト以下なんてのも珍しくない昨今ですが、ちゃんと1時間当りの給与が1000円以上になるように、そうした監視の目も必要でしょう。後は「研修生」などの抜け道を許さないことですかね。ルールを作るだけでなく、守らせることも含めなきゃいけません。

 ……で、こうした最低賃金の引き上げに反対する人には、「不可能に決まっている」といった論調が多いわけです。そりゃまぁ、低賃金労働に頼って経営を成り立たせているような企業を守りながら最低賃金を引き上げるのは無理でしょう。どちらかを選ばなきゃいけません。ただ一方で、他の国々で可能なこと、とっくに実現されていることが、なぜ日本では不可能だと断言できるのか、その辺まで踏み込んだ最低賃金引き上げへの批判は皆無ですね。最低賃金をマトモに引き上げたら景気が悪化する、そんなことを力強く断言する人もいますが、最低賃金が日本円に換算して1000円以上の国の経済成長がどうなのか、日本と比べてどうなのか、その辺は全く無視されがちです。内部留保の扱いに関しても同様のことが言えるのですが、往々にして日本のエコノミストや財界誌、「経済に強い(つもり)」のブロガーなんかは内向き、日本国内でしか通用しない論理を振りかざして、諸外国の不都合な例からは目を背ける傾向があるようですね。もうちょっとグローバルな視点を持つべきだと思います。

 

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コメント (10)
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