Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

イノ研シンポ@一橋講堂

2007-03-04 22:09:04 | Weblog
マイケル・クスマノ教授の「サービス・イノベーション」に関する講演を聞きにいく。ソフトウェア産業,あるいはIT産業では,少数のプラットフォーム・リーダーを除き,サービスがビジネスモデルの重要な要素になる。「製品のサービス化」「サービスの製品化」という視点は興味深い。

サービスとは何か・・・自明のようでいて,考えるとよくわからなくなる。クルマを買って乗ればモノの消費だが,リースやレンタルを利用していればサービスの消費だ。いずれも,クルマというモノから,移動のサービスを受けていると考えれば実質的に同じ。ビジネスモデルのパーツの組み合わせ方が,ちょっと違うだけなのか。

サービスはヒトが行なうことだとしたら,どんな企業だってサービスはしている。ただし,それに対する対価を直接,顧客に請求している点の違いということか。無形性とか生産と消費の同時性とか消滅性とか,サービス財の特徴をいわれるものが本質的かどうかも,よくわからない。

モノを廉価に売って,サービスとメンテで儲けていくというビジネスモデルは,会員制サービスと似ている。だからCRMが重要になる(最近,遠ざかっているなあ・・・)。消費者は最初に,長期的なコストとベネフィットを考えて意思決定する。将来効用の予測と時間選好,その限定合理性といったテーマが思い浮かぶ・・・。だが,実際のところ,何を研究すれば面白いだろうか。

午後は,一橋大学の「スター」経営学者たちの話を拝聴。昨日の東大でのカンファレンスで感じたように,何かのオタクでないと経営学者としては成功しないと思う。対象はコンテンツでもクルマでも半導体でも何でもよい。好きなことを研究対象にすればいい,簡単な話だというものの,自分にはオタクになれるほどの領域はない。あえていうと,モノやカネより,ヒトの側に興味があるのかな・・・。

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