Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

堀義人氏の「ツイッター7つの仮説」

2010-03-14 23:30:55 | Weblog
ひょんなことから,グロービス・グループ代表の堀義人氏のブログに,「ツイッター7つの仮説」という興味深い投稿があるのを発見。ちなみに今年の2月15日に投稿されている。これを参照枠として,自分の考えを書き残しておこう。
仮説1:ITの進化に伴い、議論の質が下がる。
いきなり難しい問題だ。「議論の質」をどう考えるか・・・という以前に,ぼくにはインターネット以前のパソコン通信時代について経験がないので,何ともいえない。そもそも twitter は議論用のメディアではない,という意見をよく聞くし,堀氏もそう述べている。
仮説2:一方では、訴求力・リアルタイム性が抜群に上がる。ツイッター(SNS)、ブログ、動画などの組み合わせにより、よりパワフルな発信力を個人が持つようになる。
それは間違いない。と同時に,大半のユーザはフォロワーが10人以下という調査を最近見た覚えがある(ちゃんとブックマークしておけばよかった・・・)。ということで,フォロワー数の分布はベキ分布になるだろう。そういう研究がすでにあるに違いない(筑波大での集中講義の際,ある受講者のレポートに自らクローリングして調べたフォロワー数の分布・・・多分・・・が載っていた)。
仮説3:知のインプットの時間が減るので、人々は扇動されやすくなる。
これは面白い仮説だ!ただし,twitter の使用と他の知的インプットの時間がトレードオフの関係にあるかどうかとは別に,twitter によって人は扇動されやすくなるのか,むしろさまざまな情報に触れることで扇動されにくくなるのか,を考えることもできるだろう。
仮説4:パーソナルな情報がマスメディアを凌駕する。
インターネット以前から,リアルなクチコミの影響力がマスをしのいでいたと,コミュニケーション論の研究者ならいうかもしれない。いずれにしろ,その傾向がもっと強くなるということだ。
仮説5:コミュニケーション依存症(ジャンキー)が増え、物理的交流の機会が減る。
まさに自分はそうなりつつある(笑)
仮説6:ツイッターのフォロワーは、共感、情報、知恵などの全人格的な面白み(エンターテインメント性)を求める。
これは耳が痛い。ただ,どんなつぶやきに人気があるかを調べるのは,けっこう難しいかもしれない。というのは,1つひとつのつぶやきだけでなく,その流れが重要だと思われるから。
仮説7:最終的には、ツイッターも駆逐される。
歴史は繰り返す。おそらくそうだろう・・・。

ぼくが最も興味を持つのは,やはり仮説3で,twitter 上の情報の流れが,人々の意見や選好をどう変えていくかはきわめて興味深い。まずは先行する研究から学ぶべく,明日から大阪で開かれるWI2研究会を聴講する。

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