Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

ナノとジャガー

2008-05-29 23:29:07 | Weblog

週刊東洋経済5/24号は「世界同時転換 自動車革命 クルマもついに変わる!?」という特集を組んでいる。その主役は,インドのタタが出した,1台29万円という小型車「ナノ」である。記事によれば,欧米自動車メーカーの技術者たちが,意外な出来栄えに感嘆しているらしい。タタは,1868年創業の財閥で,いまやインドの GDP の 3% 強を占めるという。最近,ジャガーとランドローバーを買収したことでも話題になった。

ナノとジャガーという,ある意味両端を押さえるタタという会社は,ただもんじゃないな・・・。インドで140年も財閥を続けている一族のトップが持つ教養や洞察力は,とても日本人が想像できるものではない。

ナノの次に「クォーク」というクルマを出してくれると,うれしいのだが・・・。

クォークとジャガー―たゆみなく進化する複雑系
マレイ ゲルマン
草思社

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ナノはインドあるいは途上国の低所得層を狙ったクルマで,AT,エアコン,パワーウィンドウ,エアバックなどが標準装備されないなど,徹底した機能の絞込みがなされているが,環境性能はかなり高いという。一方,環境性能を追求した小型車がトヨタの「iQ」だ。ジュネーブのモータショーで,ナノとともに話題を独占したらしい。他にも,多くの企業がこの領域に力を注いでいる。記事のなかで,自動車評論家の清水和夫氏はいう…

パリでは、スマートのような小型車は大型車より知的でリッチに見える。そんなクラスレスの志向が世界に広がり、小さくても貧しく見えない車を造れば、みなそこでシフトする流れだ。ちょうど高級コンポやラジカセより iPod のほうが知的でクールになったように。

そうだとすると,確かに「革命」だが,東京ではどうだろう。「世界同時革命」となるのかどうか…。


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