Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

ポジショニングの教科書

2013-03-05 08:36:01 | Weblog
ブランドポジショニングの理論と実践
豊田裕貴
講談社

ポジショニングはセグメンテーションと並んでマーケティングのイロハのイである。マーケターの勘と経験が生かされるされる場であると同時に,顧客調査や多変量解析が活用される場でもある。そして,ポジショニングのための解析手法といえば,因子分析が思い浮かぶ。

ということで,少なからぬマーケターが多変量解析の入門書を読むはめになる。しかし,実際にポジショニング分析を行うには統計パッケージが使えるだけでは不十分で,その前後で何をするかを知る必要がある。たとえば評価項目や対象ブランドをどう設定するか,等々。

この本は,ポジショニング分析の手法の基本ロジックからデータの集め方,結果の時系列比較までが丁寧かつ簡潔にまとめられた,実務家向けの入門書である。最後には,ブランド論のケラーが提案した類似化/差別化ポイントに関する著者自身の研究も紹介されている。

マーケティングのデータ解析の入門者から教育関係者まで幅広くお奨めしたい。ご恵投いただいた豊田先生に御礼申し上げます。

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