後期の授業が2週目に。出席者が「有意に」前期より減っている。出欠をとらない講義はともかく,必修であるはずの外書購読,大丈夫なんだろうか…(あとで泣きついても知りません)。昨日のCマーケティングの講義では,普及モデルの基礎として,ロジスティック曲線を教えた。指数関数 exp とか,対数変換の話を避けることができない。その動機づけとして,対数グラフの便利さを力説する。だが,ほんとに「便利」かと問われると詰まってしまう。むしろ変換すると線形になるって「美しい」でしょ,といったほうが正しいかな。
電車で隣の人が読んでいる日経から,「ジョブズ氏に頼る革新のあす」という見出しが目に飛び込んできた。あとで中身を確認すると,要は,ジョブズがいなくなったあと,アップルはどうなるんだ,というこれまでも繰り返し語られてきた話だ。買ったばかりの上の本のように,ジョブズ本は相変わらず次々発売されている。しかし,これからはジョブズが何をしたかより,「ジョブズが作った集団は今後も天才であり続けるか」に関心が移っていくだろう。
仮にジョブズとともにアップルが終わっても,それはそれで仕方がないことだ。むしろ重要なことは,そこで生まれたイノベーションの文化遺伝子がどう伝播していくかだろう。Hargadon はイノベーションは少数の天才が無から生み出す類のものではなく,ヒトやアイデアのネットワークを通じて,既存の技術が再結合されることで生まれると主張する(Shumpeter 以来の仮説といえる)。アップル自身がそうやってイノベーションを起こしてきたわけだし,今後,その周囲に広がるネットワークで何が起きるかが注目だ。
![]() | ジョブズはなぜ天才集団を作れたか (講談社BIZ)ジェフリー・L・クルークシャンク講談社このアイテムの詳細を見る |
電車で隣の人が読んでいる日経から,「ジョブズ氏に頼る革新のあす」という見出しが目に飛び込んできた。あとで中身を確認すると,要は,ジョブズがいなくなったあと,アップルはどうなるんだ,というこれまでも繰り返し語られてきた話だ。買ったばかりの上の本のように,ジョブズ本は相変わらず次々発売されている。しかし,これからはジョブズが何をしたかより,「ジョブズが作った集団は今後も天才であり続けるか」に関心が移っていくだろう。
仮にジョブズとともにアップルが終わっても,それはそれで仕方がないことだ。むしろ重要なことは,そこで生まれたイノベーションの文化遺伝子がどう伝播していくかだろう。Hargadon はイノベーションは少数の天才が無から生み出す類のものではなく,ヒトやアイデアのネットワークを通じて,既存の技術が再結合されることで生まれると主張する(Shumpeter 以来の仮説といえる)。アップル自身がそうやってイノベーションを起こしてきたわけだし,今後,その周囲に広がるネットワークで何が起きるかが注目だ。