Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

選択モデルを中心におくと

2008-05-25 23:51:21 | Weblog

久しぶりにジムに行き,午後は在庫が尽きてきた授業のスライドの追加作業+多少の雑用。そして週末のセミナーの準備をしているうちに一日が終わった。セミナーでは自己紹介として,マーケティング・サイエンスを強引に選択モデルに集約させ,その限界を自分の研究課題に結びつけるという展開を考えている。

1) 標準的な選択モデルでは,選好を属性の線形関数として扱う → 消費者が実際には非補償的なヒューリスティクスを用いたり,ホリスティックな評価を行っていることは明らかで,研究も進められているが,なかなか決定打が出ない。ぼく自身も,これまでいくつかの研究に取り組んできたが,その後ほったらかしだ。

2)有限個の選択肢(の集合)から選好に基づき選択する → 市場のロングテール化が可能な選択肢の集合を無限に拡大している。そうなると,単純に選択モデルを適用することが難しくなる。ロングテール現象について,前から研究を進めたいと思っているが,データが手に入らない(どなたか興味ある方・・・)。もちろん,時間がないこともある。

3) 選好は個人間で独立である → 消費者間の相互作用は,いまマーケティング研究で最もホットなテーマの1つである。ぼくの研究も最近はそこが中心で,週末の発表もまさにこれが本題だ。このテーマに興味を持ったのは,本来次の課題を解く鍵がそこにあると思ったから。だから,早く統合する必要がある。

4)個人の選好は時間的に一定である → 単に選好が時間的に変化するモデルなら多々あるが,なぜ変化するのか,それはどこから生まれてきたかという根源を問う研究はあまりない。いうまでもなく,ぼくのライフワークであり,見果てぬ夢である。

・・・などと整理したところで,何ら研究が進むわけではないが,課題が関連づけられることで少し気が楽になる。しかし,迫り来る ESHIA/WEHIA の予稿提出期限を思い出すと,かえって絶望的な気持ちになる。少しは延期してくれるのだろうか・・・。


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