Mizuno on Marketing

あるマーケティング研究者の思考と行動

広島ファンの潜在力

2008-07-08 14:10:36 | Weblog
マツダオールスターゲームのファン投票で,何と広島カープから3選手がファン投票で選ばれた。セ・リーグでは,首位独走中の阪神タイガースからは4人,巨人からは2人,ヤクルトと横浜から1人,中日からは0人。つまり,「あの」巨人を抜いての堂々の2位なのだ!

 先発投手 高橋 建  168,136票
 二塁手  東出 輝裕 279,873票
 外野手  前田 智徳 317,170票

驚きは高橋健投手が選ばれたこと。ファン投票で選ばれた投手としては,史上最年長(39歳)らしい。「中年の星」としての活躍が選出の理由かもしれない(・・・最近の成績はいまいちとはいえ)。もちろん,他の部門に比べて,選手間で数字が大きく割れたことも幸いしている(とはいえ2位は「われらが」ルイス・・・しかも彼は「選手間投票」で1位に選ばれている)。悔しいのが一塁手の栗原健太だ。31万票獲得したが,新井貴浩に僅差(1.5万票差)で敗れた。

広島の選手が多く選ばれたのは,今回のオールスターのスポンサーがマツダであることが影響したのだろうか? いうまでもなく,マツダは現在,広島東洋カープの親会社ではない! 多少の動員があったとしても,それが大勢に影響したとは思えない。むしろ,広島ファンは想像以上に存在して,それが何らかの理由で活性化されたと解釈したほうが妥当であろう(何をいっても身びいきになるが)。

だが,もう一つの大きな理由は,現在リーグ戦で2~3位に位置する中日と巨人のファンが全く燃えていないことだろう。それに比べ,パ・リーグは全体に盛り上がっている。セ・リーグでは阪神がダントツに独走していることもあり,それ以外のチームのファンがしらけきっている。だが,なぜか元気な広島ファン・・・。かつての阪神ファンのように,勝ち負け以外の楽しみ方を覚えるようになったということか。

それにしても広島球団は,(ふだん市民球場にはあまり来なくても)このようにしぶとく応援してくれる(潜在的な)ファン層が小さくないことを見据えて,そこから大きな価値を生み出す投資にぜひ積極的に取り組んでほしい(それはすでに進行しており,来年オープンする新球場で花開く,というサプライズを期待したい・・・)。いや,その前に,あわよくばクライマックス・シリーズで・・・(といってもチームはこれまで,絶対に5割を超える気がないかのような戦いぶりだ)。