相棒／２０１３

クアトロの父の自宅には、隠しワインセラーがある。
今は在庫は少ないが、２００本以上ストック出来る規模だ。
そのワインセラーの捜査をする杉下警部だ。
「なるほど・・・」
「ほー・・・」
「おや、これは何でしょうね」
「些細なことが気になるのが僕の悪いクセなんですね」
「ひとつよろしいですか」
「これはフィリップ・パカレのボージョレ・プリムールですね」
「しかも去年のものですね」
「フィリップ・パカレは、ロマネ・コンティの醸造責任者の職を蹴って独立したカリスマ醸造家と記憶しています」
「ボージョレの新酒でもヌーヴォーと云わずにプリムールと名乗る、プリムールとは、最初にと云うことで、彼のその年の最初の作品と位置づけたボージョレですね」
「クアトロの父がこのワインを隠していると云うのは気になりますね」
「いつ、使うつもりなのでしょう」
杉下警部の質問に口を閉ざすクアトロの父。
クアトロとフィリップ・パカレのプリムールの動向に注意が必要だ。