スパイダーマン3を観た。スパイダーマンがビルとビルの合間を飛び回る仕草、着地するときの形、糸にぶら下がるさま。その形式美は歌舞伎の世界を思い起こす。
平凡な青年が突如スーパーマンになってしまう、そのとまどいがスパイダーマン1の面白さだった。2ではスパイダーマンの恋がテーマだったのだろうか。そしてこの3では、だれでもが持っている心の中の善と悪の葛藤といった宗教的な題材。この手のジェットコースター型映画としては、まずまずの出来映えのストーリーだろうか。
しかし、本編を観てみると予告編の方が良かった気がする。とても内容が集約され、上手に編集されていた。
主演のトビー・マグワイヤは僕の好きな俳優だ。内面的な青年をやらせたらピカイチだと思う。「ハウス・サンダー・ルール」などは特に良かった。しかし彼のイメージが三作も続いたスパイダーマンに固定されてしまうのが怖い。昔のスーパーマンの俳優はそれがもとで、自殺してしまった。ジェームス・ボンド役を降りたショーン・コネリーもイメージが固定されるのを嫌ったからだ。寅さんの渥美清も気の毒な気がする。トビーもそろそろスパイダーマンは卒業してほしいものだ。
それにしても、最近の映画のCGは素晴らしく、たいがいのシーンにもおどろかなくなった。だが字幕スーパーがきれいな活字になっているのにはビックリした。映画そのものよりも、字幕の活字に気を取られてた、浦島太郎のようなクアトロの父だった。
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