一人で夜な夜なワインを飲むクアトロの父。
昨日は、お店のワインセラーで長く眠っていた“ボデガス・サン・イシドロ1989”を開けた。
スペインのフィロキセラにやられていない、接ぎ木なしのブドウからなる貴重な31年の古酒。
このワインを三年間分のビンテージを持っていたのだが、この年だけお客様の要望が無く売れ残っていた。
お酒の販売自粛の機会にセラーを整理し、このワインも見切りを付けようと決心した。
抜栓すると、すぐに香りが目覚める。
壺からアラジンが現れたような衝撃。
味わいも、古さを感じさせないまろやかさ。
これは一人で飲むにはもったいなかったなと思った。
そして、飲み進み少し時間が経った。
すると、急激に酸化が始まる。
酸味が強くなり、香りが抜け、味わいも落ちた。
これが古酒なのだなと、ひとり納得する。
クアトロの父も、このところ働いてもいないのに疲れるのが早い。
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