愛しきものたち

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伊賀市 清岸寺阿弥陀三尊石龕仏(せきがんぶつ)

2011年02月24日 | 石仏:三重

人知れず伊賀の片田舎、小さなに寺に佇む石仏さん。

ここは伊賀と伊勢を隔てる青山高原の南西山裾、木津川支流の比自岐川(ひじきかわ)沿いに開けた鄙びた里山。

<比自岐神社境内>

伊賀上野方面から近鉄本線伊賀神戸駅まで延びる伊賀鉄道(平成7年までは近鉄伊賀線)に並行するように走る国道422号線を南下すること10km足らず、丸山駅を過ぎて直ぐ左手に延びる県道683号線にと進路取り、長閑な田舎道を進むと左手に立派な比自岐神社が見えて来る。

比自岐神社の前までは行かずにJAの辻で左手に進路を取り、比自岐の集落を抜け突き当った集落が摺見(するみ)集落。

集落の奥まった小高い山裾に浄土宗清岸寺があり、素朴で小さなお堂の狭い境内脇の一画に斜面を背にして珍しい石龕仏がある。

高さ120cm足らずの切石で奥壁と側壁を組み、その上に大きな宝形の笠石と見事な宝珠飾りを載せている。

両脇にはそれぞれ小石仏が置かれて・・・

奥壁には線彫り二重光背を持つ中肉彫り定印の阿弥陀如来坐像、左側壁には観音菩薩坐像

右側壁には勢至菩薩坐像が彫り窪めた二重光背の中に浮き彫りされている。

中尊野阿弥陀如来は微笑むが如くの穏やかな顔容で優れた体躯を持ち鎌倉後期の像立だと云われています。

像高は凡そ50cm、それほど大きい物では無いが形式、技法、像容共に優れていて珍しい。

余り紹介される事の無い石仏さんです。

撮影2008.11.30