愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

甲賀市水口 新城(しんじょう)の磨崖石仏

2011年02月16日 | 石仏:滋賀

山城から山をいくつも越えて滋賀県の彦根に通じる国道307は滋賀県各地を訪れるのに一番良く利用する道路。

陶器の町、信楽を越え新名神に沿い暫く走るとなだらかな峠を過ぎ、下り道になると目の前がパッと開けて眼下に甲賀の忍者里が大きく広がっている。

国道は野洲川の流れを渡り、野洲川の堤防を東進、東海道五十三次50番目、水口宿場跡の標柱が建つ山川橋交差点でR307と別れ県道549へと右折。

野洲川と並行して進むと直ぐ右手河原の中に頂部に青い葉を一杯に乗せた大きな岩が見える。

これが新城の磨崖石仏と呼ばれる磨崖で西面壁に像高約60cmの地蔵菩薩立像が舟形光背を彫り窪めた中に中肉彫りで刻まれている。

緑濃い藤の葉を日傘宜しく一杯に戴き、野の仏としての景観が素晴らしい。

今でも信仰があるのか涎掛けが幾つも藤蔓に掛けられている。

また同じく東西南北面には搭高約70cmの宝篋印塔各一基が刻まれているが劣化が激しい。

至徳元年(1384)の銘があって、川沿いに会った村の墓地跡か、筏流しの安全祈願のものとも考えられてるようです。

撮影2008.6.1