誰でも知ってる東大寺の南大門、その南面両側の仁王像はここを通る誰もが足を止め感嘆の声を漏らす。
しかしそのちょうど裏側、北面に有るこの狛犬(唐獅子)に足を止める人は殆ど見かけない。
この地は住いから近場と言うこともあって何度となく訪れ、この狛犬の写真にも何度となくトライするものの全く上手く撮れたためしがない。
当然この写真も満足できないが、前回紹介した籠(この)神社の狛犬を機会に、この狛犬もここにUPしておこうと思い立ちました。
言い訳にしか過ぎませんが、この狛犬の置かれている状況は非常に撮影し辛く、金網越し、柵越し、はたまた三脚も立てず脚立も持たない僕にはこれが精一杯の画像です。
我が国最古の石造狛犬と言われるこの狛犬は重源による鎌倉初期の東大寺復興造営の折、来朝した宋人石工の造立、その石材も宋から取り寄せられたものだとされています。
向かって左、雄
建久七年(1196)宋人石工、 伊行末(いのゆきすえ)の手になるこの狛犬は、僕たちが普段良く見る神社の狛犬とはちょっと異質に見えるもので雄雌両方が阿形のように口を開き、中国唐時代の石獅子と似ているといわれ、胸をぐっと反らせ屹立した作風がいかにも中国風で、胸にも飾りベルトが有ったりして勇ましい。
右側、雌
台座は須弥座で側面には瑞雲、花卉、天女等が華麗に浮き彫りされているのが見える。
金剛力士像(仁王造)の裏のスペースは広く大きく、いかにもこの狛犬だけを置いておくスペースにしては間抜け気味に見えるが、本来ここには別の何かが置かれていたのかも?と思ったりするのは僕だけだろうか??それでも像高180cm、国の重要文化財に指定されています。
右側、雌
撮影2008.6.22