愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

飯降薬師磨崖石仏

2009年10月16日 | 石仏:奈良

奈良県旧室生村は室生寺や大磨崖石仏の有る大野寺で全国区的にその名を知られていると思うが、その北方山間部、大和高原地域の室生村は関西人でも,その存在す知らない人が多いだろう???。

近鉄室生口大野駅付近のR165より県道28号線で旧都祁村方面に峠を越えると山裾に広がる集落が向渕(むこうじ)。

飯降はこの小さな集落のどん突き辺り、 後ろの山裾が迫っている辺りに往古弘法大師(石仏と時代は合わないが???)が開基した大きな寺院があったといわれています。

口伝によると、いつの頃かこの寺院は七日七夜燃続け、この石仏もその難を避けることは出来なかったようです。

NETで検索してみると多くの人たちがここを訪れて居るようですがその殆どの人たちが石仏には会えずに仕方なく引き返しているようです。

それというのも山肌から突き出した岩肌の石仏には覆堂が掛けられ、正面の磨崖石仏には紫紺の幕が掛けられ外部からは全くその様子を伺い知ることは出来ません。

たまたま僕がここを訪れたときには幸いにも、地域の人たちが居て内部に入る事が出来ました

 

内部に入って、正面の幕を上げると無残にも焼けただれ剥落が激しく、永らく風雨にさらされたのか?磨耗も進み、像容も定かでは有りません。

しかし、良く見ると、中央二尊の如来像には彩色の跡も幾分残り、倚子座に座している姿や衣文などから白鳳時代の香りを伝える貴重な磨崖仏であるとされています。

下部などは、磨耗が進みすぎているのか??もう何がなにやら状態で自然に帰る一歩手前といった感がします。

 幅1.7m、高さ1.3mの区画枠内に、中央二尊の如来像、両脇に観音像、その周囲に菩薩天部を十数体、斜め向きに彫ってあるという事に成っていますが写真のとおりで全て確認するのは難しい。

しかし、この辺境の地に白鳳の匂いが漂う磨崖石仏があって、それを有する寺院があったのだろうか??

そう遠くない地域には毛原廃寺や室生寺もあるのだけれども??

撮影2008.2.2

MAP