大阪府と奈良県の境、標高515mの雄岳と474mの雌岳がラクダの背のように並ぶ二上山は古代史ファンにとっては一度は訪れてみたいところです。
国道166号線を当麻(奈良県葛城市)から、太子町(大阪府)に向け竹之内峠を越え、しばらく下っていくと二上山登山口の駐車場がある。
ここから、徒歩でしばらく奈良方面の戻ると、散策登山口に出会う。
右手正面に等身大ほどの江戸時代建立と思しき地蔵石仏と六字銘号碑が建っている、たぶん旧竹之内街道沿いの旅の安全を願うために建てられたものでは無いのだろうか??
ここで、鹿谷寺の標識のある道を約10分程登って行くと周囲が開けて、史跡・鹿谷寺の石柱が建っている。
先ず目に入ったのは、単純な形の十三重石塔、風化は著しいが、古色蒼然としたこの塔こそが、わが国最古の十三重石塔で、凝灰岩の地山を堀り残して造ったものです。
塔自体が地面から芽を出した植物のように地続きになっているのはそのためで、だからこそ今まで、現存し続けたのだろう???、高さ約5.2m、八世紀奈良時代の造立は下らないと言われています。
東側には中国敦煌の石窟寺院のように岩壁を削ってつくったと思われる石窟があって、三尊石仏仏が奥の、高さ1.5m、幅3.02m岩壁に線彫りされている。
風化が激しく像容は定かでない高さ1.5mの如来像を三体並べていて、中尊は釈迦如来坐像、右に弥勒、左に弥陀を配置したものだろうと言われています。
この時代の仏教の力は、人をして地山の岩盤をうがち石窟を造らしめるほどの魅力あるものだったのかも知れない
撮影2006.7.8