今回は、この怪しい名前と石仏と言う言葉に吊られていってきました・・・・,暗がり峠道。
地図で見るとここはれっきとした国道308号線、国道を車が走れない事はないと言っては見たものの、元10トントラックのプロドライバーだった僕でも、少し手ごわかった。
この道は、奈良と大阪を結ぶ最短の道だったそうで、古代からある道だそうです。
江戸時代にはお伊勢さんへの道だったようで、現在でも一車線のところがほとんどなのですが一方通行にはなってなく、この日も僕の前の軽自動車が脱輪して何人かで手助けして車を持ち上げたほどです。
ここはハイキングコースとして人気があるところで歩くにはもってこいの所です。
今回大阪側から、この道に乗り入れましたが最初から大変な上り坂で、急勾配の住宅地の中を一気に駆け上がって行ききます。
住宅が途切れた頃には眼下に大阪の町が小さく見えて、最初の石仏さんのお出迎え。
道路の右側に小さな行場があって面白い顔の不動明王が立っている。
まるでアニメにでも出てきそうな烏天狗のような顔立ちがユニークで面白い。
それから少し登ると、今度は右手に仮道のような建物が建っていて弘法の井戸と言う表示板がある。
その弘法の水のあるところに弘法さんが祀られていて、のですが、其の横手に笠をいただいた笠塔婆があります。
高さ181cm、鎌倉中期弘安7年(1284)に建てられたもので阿弥陀如来座像の下に「南無阿弥陀仏」の六字名号が刻まれています。
笠は、最近乗せられたもののようで古い資料には笠はなくなっていると記されている。
この先少しで暗がり峠、ここが奈良と大阪の県境、今は少しの区間だけ古風な石畳道になっていて、お茶店などもあり懐かしい風景を醸し出している。
しかし正面には生駒信貴スカイラインのガードレールが横切り少し艶消しになっている。
この峠の左手奥に小さな地蔵堂があり、「峠の地蔵」が祀られている。
高さ1.6m花崗岩の厚肉彫り、文永年号が刻まれており鎌倉中期の作、惜しくも首辺りで折れてしまっているが、おおらかな面相で錫杖もすこぶる大きく、充実感の有る地蔵石仏です。
また堂の横手には、平石で組んだ石ガンの中に丸彫りの石仏が三体在って、野趣にとんだ姿がとても良い。
撮影2006.6.4