この、ページで以前(2006.9.3)紹介した、「弥勒坐像石仏」の有る石仏の道を約10分ほど登って行くと右手に大きな岩が露出していて、その対面左手にも一体の石仏が大きな樹の元に立っているのが見えて来る。
右手の岩の谷側、道路を背にして阿弥陀三尊石仏が彫られている。
高さ約45cm、幅35cmの上部を丸めた舟形光背の彫りくぼみの中に蓮華座に座す中尊、阿弥陀如来と脇侍の観音、勢至菩薩の立像を半肉彫りにしていて、小さいながらも魅力的な磨崖石仏です。
弥陀の左右には文明11年(1479・室町)の銘があり、枠外の左にはキリークの弥陀種子が刻まれている。
元の参詣道は、この石仏の下を通っていたものらしくこの石仏を仰ぎ見る形であったと言う。
左手に立つ、約像高76cmの阿弥陀石仏も室町時代の造立、おしいことに頭部右半分や光背上部が欠損しており、もと、この上部斜面にあった廃墓地の供養仏だと考えられている。
整備されているとは言え、木立に囲まれた谷沿いの両側に居る石仏は、見る者を癒さずにはいない。
ここより、まっすぐ道なりに約100mほど登って行くと道路脇に少し左寄りに傾いた大きな岩に石仏が刻まれているのが見える。
高さ3mばかりの岩に深い光背型を彫りくぼめ、阿弥陀三尊を、半肉彫りにしている。
中尊阿弥陀は坐像で像高60cm、両側の勢至、観音はともに立像で像高50cm、室町期の造立。
石肌全面が赤味を帯びているのは、兵火にかかつたためだと言われていて、この石仏は付近にあった岩倉開元寺参道の石仏だと考えられています。
撮影2006・9.2 / 10.29