Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

積極的な衛生処置へと

2020-04-13 | 
復活祭初日の深夜「タンホイザー」を観た。まさしく復活という感じで、居眠りしながらも25時まで観ていた。そして音が今までになく素晴らしかった。理由は分からないが録画したその音質も冴えていた。殆ど生に近い原音再生だ。最近は動画コピーの音声を96kHzにアップサムプリングしてフラックにしているのも違いが大きい。それでも動画の大きさは三幕共で9GBに至らない。前回の再放送の時にはネットが遅かったので音声だけを収録していたが、今回のものでそれも廃棄できるかも知れない。

そもそも映像自体はMP4としてARTEのものも劇場中継のオンデマンドも両方あるので、生中継版とTV放送版と両方が揃っている。今回観ていて画像を暗くして、要らぬ肌感などよりも芸術性にも気付いたが、下半身のビキニかTバーかの差までは分からなかった。但し演出上意味のある背後のヴァギナの奥の穴の中はよく映っていた。同時にペトレンコを捉えるところも長くあって決して悪くはなかった。劇場で観ていても焦点が定まらず散漫として落ち着かないところもある演出だけにカメラ切り替え編集が良かった。しかし生中継版つまりPVに映されたものの方が劇場での感覚に近い。

それにしても見事な演奏で、間違いなくタンホイザー演奏史上の金字塔だと思った。歌手の細かいところ以上に様々な版をコピーアンドペーストした楽譜からここまでの音楽を引き出したなと感心する。そしてカステルッチの演出コンセプトにも矛盾していない。色気もあり構成の中での細やかな音楽的表情が悉く音化されている。こういうのを聴くとやはりペトレンコのヴァークナー解釈は本物だと思わせる。「パルジファル」には不満があったが、この曲に関しては今後ともペトレンコ自身がこの水準での指揮はもう為せないのではないかと思う。それだけ座付管弦楽団が見事で、この演奏はベルリンのフィルハーモニカーでは無理だ。要するに壮年期のペトレンコの芸術として歴史にも残るものだろう。

その午後にはペトレンコ監督指揮の第一作目の「影の無い女」を流していたが、これの再演を指してペトレンコ監督とはどうだったかを語る証拠としていた記事を読んだ事があったが、確かに2015年の再演の方が良かったのかもしれない。少なくとも2014年の再演はそこまでは至ってなかった。

さてこの「タンホイザー」制作は、正直最初のセミヌードで序曲などでも注意力散漫になったが、最終的には合唱も素晴らしく、最後まで拍手を止められなかった。ペトレンコの表情も良く覚えている思い出深い公演だった。それだけに最初からじっくり聴き直すのも中々叶わなかった。そして今やっと客観的に評価できるようになった。この映像の晩の公演も牧童の声のボノワまでとても素晴らしく、初日よりも遥かに上手にハルテロスも歌い切っている。

第一祭日の晩にトライヤー知事がARDに登場した様だ。水曜日の話し合いの為の立ち位置を確認されて、今までの誇るべき市民の規律と一方未知の所のあるコロナへの警戒を以て、一歩一歩と平常化を進めていく。その場合に変わらぬのは積極的衛生であり、社会的距離であり、マスクの意義も議論されようとしている。その前の呼びかけで手もとにあれば使うようにと話していたのでどちらかというと積極的だ。

そしてSWRでワイン街道のランダウの葬儀屋の話しを観ると、まともなマスクすらないようだ。消防やこれらの公共の仕事、そして食品関係に先ず高性能のマスクを渡すべきで、素人が使うべきではない。しかし火葬場も葬儀屋も需要に備えているというので仕事に関しては大丈夫の様である。

トライヤー知事の話しには小売業と学校などの正常化が出て来た。また地域差があるので共通の枠組みの中で実際に相応しいようにも正しい。例えばマスクの話しにしても先日路上電車に乗っていた人が「マスクをしていない」と罰金を取られるという詐欺事件が起きていたが、日常生活には殆ど意味の無いマスクでも必要なところに行き渡らないのが最も悪なのだ。

そうしたことを含めて重症化するのは老人だけでなく問題のある若者もいるのだから分断化はしてはいけないという自らALSの弁護士らしい発言が出て、これには注目したい。矢張り19日から二週間は様子見が続くだろうか?いづれにしてもメーデーを上手に使って、その翌々日に次の手を打つぐらいがいいだろう。



参照:
決して一人にはしません! 2020-03-14 | 女
行ったり来たりの話し 2020-04-12 | マスメディア批評

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