Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ヴィースバーデンモデル

2020-05-22 | 文化一般
木曜日の夜のフランクフルトの放送スタディオホールからの生中継は価値があった。四十人近くが演奏をして、放送局スタッフが時間を掛けてマイクロフォン設定をしたからだ。結果はとてもいい集音と演奏になっていた。座付楽団などに比較するとこういう仕事に慣れているのもあるかもしれない。それに普段以上に練習しているのは間違いなかった。想定以上にシーズン最後の音楽監督オロスコエストラーダもいいところを見せた。ヴァイオリンのテツラフは私の知っているこのヴァイオリニストからすればもう少し何かできても良かったのではなかろうか。

スェーデンからは五十人までの同じように無観客があったので、あとは観客を入れるだけとなっている。土曜日のベルリンからの中継も観客を数百人入れることは可能だが、手間が掛かるのでやらないのだろう。もう一度二度ほど試して慌てずに夏のシーズン開幕に合わせるのがよいだろう。さてベルリンのフィルハーモニーには何人が舞台に上がるだろうか?「浄夜」は期待される。予想される問題は収録がいつもの儘でそれ以上にはマイクを立てないということかもしれない。

今回のドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」も前回のマーラーの四番交響曲と同じシェーンベルクらの音楽サロンの為に1920年に編曲されている。二曲目のヒンデミットの1921年にドナウエッシンゲン初演で両曲とも12人の奏者の為の曲である。よって、後半のシェーンベルクをその規模に止まらせるか大きく拡大するかに注目が集まる。

個人的には無料券が無いので、今回の為に一週間券を購入して投げ銭して生中継を愉しむことになる。再放送も日本などに向けて日曜日に準備されている。

ミュンヘンも再開の準備が進んでいる。ヴィースバーデンモデルが取られることになる。つまり客席は1.5m間隔で、着席以外はマスク着用で、ガルデローベは締められて、指定された時刻に入場。上演も60分から90分で休憩とする。歌手、踊り子、管楽器奏者と指揮者は2mの間隔で、必要な仕切りが入れられる。舞台上では6mまでの間隔が開けられる。

歌手のヨンチェヴァが、「次の機会に飛行機に乗ったら立ち上がって歌ってやるんだ、誰も感染しないんだから」とSNSで呟いて話題になったらしい。如何に劇場の規制と飛行機のそれが異なるかという事で、ご立腹らしい。

地元のこの一週間での感染者数が十万当り五人で0.71人になっている。ハイデルベルクなど一時は結構出ていたところでも完全零になっていて、終息へと向かっている。ここで徐々に動き出したことでこの状況が変わらなければ、夏には二月時点と同じく虱潰しに発生源を潰して行けるだろう。ある程度の距離感は仕方が無いのだが、マスク義務などは暑くなる前に止めるべきだろう。

久しぶりに昼間のスーパーに行った。マスク義務になってから初めてだ。やはりすれ違う感覚が短い。あれでも感染が広がっていないのなら結構なことだ。劇場などは換気さえ整えればそれほど問題はないと思う。それを考えるとやはりバイロイトの祝祭劇場は厳しいと思う。反対にザルツブルクのフェルゼンライトシューレは天井を開けることが出来るので大変有利だ。また設備の新しい劇場やコンサートホールは今後有利になると思う。



参照:
ニューヨークタイムズの報道 2020-05-20 | 音
モニターの前の評論家 2020-05-04 | 文化一般

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