ラインの黄金の指輪の話を、「子供の不思議な角笛」で読むと、これはかなり地方色豊かな話となる。これらは、「ニーベルンゲンの歌」伝説によるようだ。13世紀の手書きの書物によると、ジークフリートは竜を退治して下ラインからヴォルムスの王室に乗り込む。この辺がヴァーグナーの楽劇「指輪」の第二夜「ジークフリート」と第三夜「神々の黄昏」で描かれるところである。
民謡集「子供の不思議な角笛」の「ラインの盟約の指輪」では、ラインとネッカーの畔で草刈する男が、労働歌を口ずさむ塩梅で夢想とも幻ともつかぬ情景を髣髴とする。ローカルな話で恐縮だが、両河の畔で草刈るという事は両河が交わる現在のマンハイム市のライン・ネッカー三角洲地帯であろう。何れにせよ取材先の関係もありハイデルベルクで纏められたこの民謡集にはこの地域の話が多い。指輪を河に投げ入れると、流され流され下ラインを越え、ネーザーランドを通って大西洋に出る。ここで、魚に食われて、それが結局王の食卓に上る。ラインの妖精らしきは、水に飛び込んで四苦八苦して指輪を探して返してくれるが草刈は手伝ってくれない。相変わらず、寓話性に満ち溢れている。
この民謡集、最近のドイツ語学者の研究では多くの部分で編集者二人の手が加わっていると言う事である。そのようにしてみると1859年に近くのオーデンヴァルトの山中で取材された別ヴァージョンは、ネッカーの代わりにアッカーとなっており場所が異なる。これは、農耕地を意味する。農耕地で草刈では、全くバルビゾン派のミレーの農民の姿になってしまう。因みにこれも「ラインの伝説」としてグスタフ・マーラーの歌曲集に含まれる。テキストは変わらないが、ここでも民謡集とタイトルが異なっている。
民謡集「子供の不思議な角笛」の「ラインの盟約の指輪」では、ラインとネッカーの畔で草刈する男が、労働歌を口ずさむ塩梅で夢想とも幻ともつかぬ情景を髣髴とする。ローカルな話で恐縮だが、両河の畔で草刈るという事は両河が交わる現在のマンハイム市のライン・ネッカー三角洲地帯であろう。何れにせよ取材先の関係もありハイデルベルクで纏められたこの民謡集にはこの地域の話が多い。指輪を河に投げ入れると、流され流され下ラインを越え、ネーザーランドを通って大西洋に出る。ここで、魚に食われて、それが結局王の食卓に上る。ラインの妖精らしきは、水に飛び込んで四苦八苦して指輪を探して返してくれるが草刈は手伝ってくれない。相変わらず、寓話性に満ち溢れている。
この民謡集、最近のドイツ語学者の研究では多くの部分で編集者二人の手が加わっていると言う事である。そのようにしてみると1859年に近くのオーデンヴァルトの山中で取材された別ヴァージョンは、ネッカーの代わりにアッカーとなっており場所が異なる。これは、農耕地を意味する。農耕地で草刈では、全くバルビゾン派のミレーの農民の姿になってしまう。因みにこれも「ラインの伝説」としてグスタフ・マーラーの歌曲集に含まれる。テキストは変わらないが、ここでも民謡集とタイトルが異なっている。
音楽祭が観光客誘致である事も多く増えましたが、特色がないと芸術的にも商業的にも成功していないと思います。平常の活動との兼ね合いもありますね。劇場と老舗の室内楽シリーズが音楽活動の基本だと思います。オペラに将来はないでしょうが。商業オーケストラで成功しているのは、連邦内で数楽団だけですか。将来その中で幾つが残るでしょうか。放送オーケストラも解体され縮小の方向です。
korokan111さん、コメント有難うございます。ドイツのロックやテクノなども昔から有名ですね。現在は何が海外で聞かれているのかは知りませんが。ポップスは、所謂シュラーガーといわれる各地の民謡ポップスバンドが主力です。最近ではオッツタールのDJオッツィーなどです。アルペンスキーワールドカップの一流選手にもスター歌手がいます。古い民謡のリメークもあります。
興味あるのは、どういう傾向の民謡でしょうか?
色々と興味深いブログですね。勉強になります。
ドイツ音楽は主にポップス聴いていますが、民謡もいいですね。機会があったら聴いてみたいです。
「天狼星・火星」ではマンが何を言いたかったのか、今もわかりません。
ドイツではクレメルと共にグールドは人気が高いと聞いています。日本でも死後、ポリーニ、アルゲリッチに続いて人気投票第3位になったことがあります。そちらは音楽祭が沢山あって、人々が町のカフェでお茶を飲むように音楽を楽しんでいる国だと想像しています。マサコ
TBの方法をありがとうございました。まだよくわかっていませんが、勉強してみます。モニカ
マサコさん、コメントありがとうございます。グールドの件は興味ありますので、改めてお話させて頂きます。
さて、マンの小説ですが読んでおりませんし、当分は読む事もないと思いますので、ニヌルトゥの事だけを調べてみました。これは、シュメール語で「火星」を意味するようです。豊穣の神のようです。この辺の神話は、ギリシャ、バビロニアなどを含めてメソポタミアからの流れとなっていますので、様々な共通点と変遷があります。私は門外漢ですが、これの仏教への影響に興味を持っています。
モニカさん、TBですが、様子が分からないので、当方側からは「下のPing-URLをコピーして頂いて、何処かに貼り付けてそちらのサーバーに送る」としか申し上げられませんが。今までの経験上、exblog.jpからも問題なく出来る筈です。
さすがに地元の方のお話だと目を通させていただきました。
私は音楽は大好きですが、オペラは「ヘンゼルとグレーテル」以外はダメなのです。
ワーグナーといえばニ-チェと来るのですが、ドイツではニ-チェは読まれているのですか?
実は長いこと質問させていただきたかったことがあります。
トマス・マンの「ヨゼフと兄弟」で、「シリウス・ニヌルトゥ」という言葉があり、その「ニヌルトゥ」の意味がわからないでいます。検索してもらっても出て来ないそうです。もしか何かご存知なら教えて下さい。
アルゲリッヒのファンの方の文章も読ませていただきました。私は40年来のグールドファンで、レコードのお話が懐かしい世代の人間です。
今から24年前、カナダのトロントに押し掛けて、グールド氏からレコード5枚を頂いたことがあります。
現在のように、電磁波、化学物質、光線過敏症になってしまうと、「若い頃にはなんでもやっておくものだ」とすっかり「おばあちゃん」気分です。
これからもブログを通して色々なことを教えて下さい。
(投稿者マサコは電磁波過敏症でコンピューターを触れません。代わって入力しているモニカですが、このblog.gooへのトラックバックの方法がわかりません。お手間ですが教えていただけませんか?よろしくお願い致します)
なにやら、いい香りがしてきそうな、素敵なブログですね。
いろいろと勉強させていただきました。
ありがとうございました。
マンハイムの劇場のヴァーグナーは、昔から定評があります。私も10年以上前に何度か接しましたが、そのなんといっても荒削りが喜ばれているようです。バイロイト祝祭への参加者が多いことなども理由に挙げられるようです。今も殆んど変わらないようですが。
「指輪」のご当地だったとは・・・。ぜひ一度ここで鑑賞してみたいものです。
それにしても河畔での草刈労働歌から始まるとは、まるで中国古代の詩経かなにかのようですね。いろいろなテクストを読み比べてみるのも面白そうです。