Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

オペラ上演のノウハウ

2021-12-05 | 文化一般
予定ではフランクフルトだった。二日続けてのフランクフルトの計画は5月に購入したベズイーデンフートのリサイタルと前夜の「マスカラーデ」を組み合わせるつもりだった。しかしこのところの規制強化などで、フランクフルトに滞在しての意味がなくなった、更に抗原検査を受け無ければいけなかったので、二日分使える予約も取ったが、そこまで打ち込むのは七月以来で、割が合わないと思った。更にマスクをつけての時間はつらい。

驚いたことに結構な人が入り口に列を作っていた。前回の初日以上だったのは、入場人数だけでなくて、陰性証明書が一つ増えたからだろう。結論からすると学生や関係者も可也いたと思う。それでも皆が検査を受けてというのはやはり凄い。これだけでも市立歌劇場はまだまだ大丈夫だと思った。ミュンヘンとは規模が違うが、それでも大したものだ。

こういう老若男女の顔ぶれを見ていると、爺さんも鼻に綿棒入れさせたのかと思う。そしてこういう時に来ないのはただただ余暇のエンターティメントとして来ていた層だけだろう。意外に限られた割合でしかないことが分かり、外国や遠方からの訪問者を除くと更に減る。

さて、本番であるが、なぜか前半の一二幕は流していた。初日を知っているのでよく分かった。指揮もばっちり見ていたので、よく分かったのだが、流してなにを得ようとしているのかなとも考えた。席が違うので印象だけではとも思っていたが、休憩時に気が付いた。

カメラが沢山入っていた。どのような形で制作されるのかは知らないが、NAXOSで発売されるようだ。その分リスクも避けていたが、明らかに流していて、丁度10月にあった「サロメ」再演の前半とよく似ていた。

指揮者本人に尋ねてみないと分からないのだが、それも経験で一晩の公演をどのように纏めるかも大きな実力である。「サロメ」でも満足度は高かった。そして実際に後半になると完全に鞭が入っていて、推測するに前半部分は既に十分なマテリアルが揃っていたのだろうと思う。だから後半に全力を集中した可能性がある。

キリル・ペトレンコ指揮のオペラでも最初から一幕から三幕まで纏めて来れたことなんてあまりなかったのである。オペラ業界では当然のことなのかもしれないが、こういうノウハウのあるなしもも全公演通うようでないとなかなか掴めない。それを考えると、七月の最終日にあれだけ合わせてきた「トリスタン」上演はやはり奇跡的なことではないかとも思う。

オペラの全曲映像は、何回か回して更に足りない個所を補っていくようでないと、中々まともなメディアは完成しないからで、土曜日の後半の出来からすれば、中々いい制作になるのではないかと思う。(続く



参照;
「聖書」ではないお話し 2021-10-09 | 音
首でも指揮の「トリスタン」 2021-08-03 | 音

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