パンダ イン・マイ・ライフ

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山本一力 損料屋喜八郎始末控え

2023-10-01 | 山本一力
平成15年2003年6月文庫の「損料屋喜八郎始末控え」を読んだ。4作品のうち、2作品は平成11年1999年5月と12年2000年3月に月刊文芸誌掲載。単行本は平成12年2000年6月刊行。

「万両駕籠」
深川八幡の例大祭。札差の笠倉屋が料亭の江戸屋(女将は秀弥)でトラブルを起こすことから物語は始まる。座敷隅いたのが、蚊帳や布団などの貸出業を生業とする損料屋の喜八郎と連れの嘉介だった。
浪人の一人息子、大畑喜八郎は、剣術の道場で与力の秋山に出会い、配下の同心になった。上司の命令に逆らえず、米相場に手を出した秋山は、大損する羽目に。喜八郎も詰め腹を切らされ同心職を失う。それを救ったのが、先代政八の米屋だった。

武士相手に借金を融資する札差。その借金を帳消しにする幕府の棄捐令が出されようとしていた。阿漕な札差の伊勢屋四郎左衛門に奉行所の籠が迎えに来る。

「騙り御前」
喜八郎30歳。恩義のある先代米屋政八。その息子の米屋を、役者扮する偽の公家と御家人を使い、伊勢屋が騙そうとするのを救う。米屋は、伊勢屋と笠倉屋、御家人、公家を江戸屋に呼び出す。喜八郎は米屋の番頭として、立ち会う。

「いわし祝言」
料亭の江戸屋の板場の清次郎は、同じ店の奥勤めのおゆきと祝言を上げる予定だったが、様子がおかしいと女将の秀弥は、喜八郎に相談する。汁粉屋の源助を聞きこみに立てる。おゆきの家に渡世人の平田家の伝七が、清次郎に40両の貸しがあると訪ねて来る。清次郎は実家の漁師の兄たちのため、船の修繕代を出そうと思案していたが、伊勢屋の手代の長之助に嵌められる。喜八郎は伊勢屋に乗り込む。長之助はコメ相場に手を出し。伊勢屋に大穴を空けていた。

「吹かずとも」
松平定信の棄捐令で、商売が傾いた笠倉屋は、伊勢屋を巻き込み、たくらみを実行する。伊勢谷の借金を返すと大判の金貨を渡す。伊勢屋は、大判を富岡八幡宮の例祭に寄進する。相談を受ける喜八郎。同心秋山を巻き込み、例祭の神輿が練り歩く。
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