パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

モンテ・クリスト伯 1-3

2020-07-20 | book
船長が航海中に亡くなり、ダンテスが船長の頼みで、エルバ島に立ち寄る。会計のダングラールが、ダンテスが船長から預かった手紙をパリのある人物に渡そうとしているのを知り、その手紙の内容をフェルナンに見せる。フェルナンは、その手紙を検事に送り、ヴィルホールがその手紙を見つける。あて名はヴィルホールの父、ノワルティエだった。

ナポレオン・ボナパルト。2月28日にエルバ島を脱出。3月1日に上陸を果たす。しかしワーテルローの戦いに敗れ、帝政は、百日政治と呼ばれる。再びルイ18世の王政へ。

ファリア司祭
65歳になるイタリアの司祭。12年間も入牢生活をしている。1811年からシャトー・ディフに入牢。脱獄の計画を実行。計算を誤って、入牢後6年のダンテスの部屋へたどり着いてしまう。司祭は、紙、ペン、インキを自家製で作り、論文を書いている。針・糸、小刀、火・ロウソクも。ダンテスが無実を告げると、「犯人を見つけるためには、まず、その犯罪によって利得するものを求めよ」といい、次々に見破る。ダングラール、フェルナン、ヴィルホール。ダンテスは、復讐の誓いを立てる。そして、2人の学習の時間が生まれる。数学、物理学、歴史、イタリー語、スペイン語、英語、ドイツ語、そして、交際社会の礼節、貴族的な身のこなしをも学ぶ。そして、2人での脱獄の計画を練り、実行に移す。2年間の時。しかし、ファリア司祭に死の時が近づく。
ファリアは、ダンテスにイタリア時代に得た財宝のありかを示した紙面を見せる。

その間、
ヴィルホールは、検事の地位に。ルネ・ド・サン・メラン嬢と結婚。

ダングラールは、海上勤務を辞め、商家の注文取りに。マドリッドへ行き消息を絶つ。

フェルナンは、ナポレオンの軍隊に士官する。カドルッスも同じく士官する。

ダンテスの父は、ダンテスと別れて5か月後にメルセデスに看取られ亡くなる。モレルが葬儀費用や借財を始末する。

1巻は、1話「マルセイユ到着」から「宝」まで18話。1956年第1刷。1984年9月第32刷。

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モンテ・クリスト伯 1-2

2020-07-19 | book
第1話「マルセイユ到着」。主人公の一等運転士、19歳のエドモン・ダンテスの帆船、ファラオン号が、政治犯の牢獄島シャトー・ディフを通過し、フランスのマルセイユ港に到着するのが、1815年2月24日だ。この年にこの作品の一つの大きな意義がある。

18世紀終わりのフランス革命。ルイ16世の処刑。そして、1804年、ナポレオン1世が皇帝に即位。しかしナポレオンはライプツィヒの戦いに敗れ1814年に退位する。ブルボン家が復位することになった。1815年、エルバ島から脱出し、パリに戻ったナポレオン1世が復位。しかしワーテルローの戦いで完敗。ナポレオン1世は再び退位した。
ナポレオン1世の失脚後、ルイ16世の弟であるルイ18世がフランス国王に即位した。ナポレオンが一旦エルバ島を脱出して復権すると亡命するが、ナポレオンの最終的失脚にともなって復位した。

個性的な登場人物たち
エドモン・ダンテス
19歳。帆船、ファラオン号の一等運転士。船長職が確約され、3年付き合ったメルセデスとの婚約披露の途中、1815年2月28日に警察に連れていかれる。行先はシャトー・ディフだった。

モレル
32歳。ファラオン号の船主。ダンテスを応援し、入牢後はその無実を訴える。
ダングラール。ファラオン号の会計、25,6歳。船長が亡くなり、船主のモレルから船長にと期待を寄せられるダンテスことを快く思ってない。

カドルッス
ダンテスの父の隣人。仕立て屋。日和見の30歳の酒飲み男

メルセデス
カタロニア村、スペインからの移住人ボヘミアンが船で居ついた漁師町。そこにダンテスの許嫁17歳の美女が住む。

フェルナン
カタロニア村に住む22歳。両親のいないメルセデスを養う家の従兄。メルセデスを慕っていた。

ヴィルホール
27歳の王党の司法官の検事代理。サン・メラン侯爵の一人娘と婚姻しようとしていた。父はボナパルト党員で元老院議員をしていたノワルティエ。
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モンテ・クリスト伯 1-1

2020-07-12 | book
フランスの小説家のアレクサンドル・デュマ(1802年7月24日 - 1870年12月5日)の「モンテ・クリスト伯」、いわゆる「巌窟王」を読んだ。岩波文庫の全7巻。手元にある1巻は、1984年昭和59年9月の32刷だ。第1刷は1956年昭和31年2月。昭和31年は、私が生まれる前。それが今も続く。訳は山内義雄(やまのうち よしお)。5巻は350円だが、それ以外は1冊300円で買っている。赤帯の背表紙の白100円、黒星が50円がなつかしい。

1980年代、就職して間もなく、読破した。その余韻はあるものの、今、新たに読もうと思ったのは…。それは地方新聞に2019年平成31年2月20日から掲載された宮本輝の「灯台からの響き」に、還暦過ぎ主人公、東京板橋に住む中華そばやの康平が高校を中退し、常連客の高校教師から勧められた最初の本の一冊として、紹介されていた。それも、「ただ、難しいだけじゃしょうがない。書物はおもしろくないとね」として。

読み始めると、その灰汁の強い登場人物に感心する。そして、一話一話が、完結の短編としても読め、前後とのつながりもあり、読みやすいことに気づく。その理由はすぐわかった。まず、1844年から1846年にかけて、フランスの当時の大手新聞「デバ」紙に連載され、好評を博したこと。新聞小説だから、一話一話がコンパクトで山が設けられている。そして、170年前の作品でも色あせないストーリー全般にわたる起伏の激しさがある。日本では、江戸時代天保の頃である。1868年が明治維新なのだ。本文には時々、皿、壺などの調度類として日本製品が出てくるから驚きだ。
そして、デュマが、劇作家として名を成していたことがある。登場人物の心理描写が明らかで、一話一話が舞台の一シーンのように目に浮かんでくるのだ。全7冊が大山に向かう迷路のようでないのはそのせいなのだと。
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プラモの世界(13) 広島城

2020-07-05 | book
広島城。鯉城(りじょう)として有名。広島市の中心部、中区基町にある。

最初は毛利の居城だ。備中高松城の戦いに敗れた毛利輝元は、秀吉の軍門に下る。1517年に築城開始、10年を経て完成するが、関ヶ原で敗れた毛利は、萩への移封を余儀なくされる。その後、1600年に福島正則が入城。そして浅野長政が入り、明治まで浅野氏の居城であった。広島市の真ん中、平城の典型だ。太田川の河口を活かしている。天守は原爆で焼失する。昭和33年に外観復元。童友社のデラックス版で、東と南の小天守を復元している。











「日本名城百選」「ハンドブック日本の城」の古地図や戦災前の写真がいい。

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