パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

骨風

2016-01-31 | book
通称「クマさん」で昔,テレビに出ていた芸術家,篠原勝之の自伝風エッセイ「骨風」を読んだ。2015年7月刊行。

17歳で家出をして上京。暴力をふるう父から逃れ,さまざまな職業,住まいを転々とし,芸術を追及してやまない。

骨風」父親の死とモンゴルへのゲージツ遠征
矩形と玉」35年間を共にした猫「GARA」の死
花喰い」映画監督の若松との北海道の思い出
鹿が転ぶ」甲斐駒ヶ岳の麓の作業場での出来事。
蠅ダマシ」ニューヨークの出展と発動愛好者ホッタさんの話
風の玉子」スキンヘッドの理由と病気と散髪
今日は はればれ」母親の認知症
影踏み」1つ下の弟の思い出と死

幼いころからの辛い思い出と,自分や父や母弟たち家族の壮絶な生き様。芸術の執念。隣人や動物の死へのメッセージ。テレビでのシャイでにこやかな表情が印象にあるからか,凄い生き様の中に宿るやさしさ,人懐こさが,上手い文体に込められる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スクラップ・アンド・ビルド

2016-01-24 | book
昨年,又吉直樹と同時に芥川賞を受賞した羽田圭介の「スクラップ・アンド・ビルド」を読んだ。2015年8月刊行。図書館で予約すると,しばらく待ち,後にリクエストがある。芥川賞と言うネームバリューはすごいものがあるのだろう。若い作家に与えられるこの賞の受賞作品を手に取るのは久しぶりだ。どうも若い感性と言うものについていけなくて,つい,直木賞の方に興味が出てくる。

若いといえばこの羽田は,高校生で文藝賞を受賞し,複数回芥川賞の候補となった。1985年東京生まれで,30歳での受賞だが,ある意味,作家経歴は長いといえる。

そんな彼が描いたのは,28歳の若者と4年前からいっしょにマンションに住むようになった還暦の母の父,87歳の祖父との暮らしである。スクラップとビルド,相反する行為の中で,若者の不安,クールな怒りを全編に醸し出す。

健斗は,大学卒業後,なんとか受かったカーディーラーの5年の勤めを辞し,司法書士,宅建の資格を独学で学びながら,時折,就職試験を受ける日々。4つ下の彼女もいるが,彼女もバイト生活で,関係も不安定。自宅にいることが多くなったことから,否応が無しに,祖父が生活に祖父が入り込んでくる。

死にたいと口癖のようにいう祖父。体の不調を訴えてはいるが,まだ,生きる力はある。しかし,老いは確実にやってくる。福祉制度,若者の年金問題,介護の現実。

いずれは健斗も祖父のようになるのだが,日々の生活には,関係がない。それが若者なのだ。

家族,若者,高齢者。すべてが不安定。それは,だれも明日,未来は,経験しないことの連続だからなのだ。皆,必死で,ころばないように自転車をこぎ続けるしかないのだ。

祖父の入院,就職決定,祖父との別れ。新しい生活の始まり。でも,これからも不安定なのだ。そう,不安定であり続けることこそ,人生。この不安定さを,これから長い時間,この作家はどう,向き合い,書き続けるのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夕暮れの時間に

2016-01-17 | book
山田太一のエッセイ集,2015年8月刊行の「夕暮れの時間に」を読んだ。山田太一といえば,脚本家。男たちの旅路とかふぞろいの林檎たちなど,テレビドラマの歴史とともに歩んできたともいえる大御所。

1934年生まれの山田が2000年に入り,さまざまな雑誌に掲載したエッセイをまとめた。60代に書いたものを70歳でまとめた。それゆえに夕暮れなのだろうか。齢を重ねても,研ぎ澄まされた感性。読書と映画を友としてあくなき探究心。うらやましい。

とにかく読書家であり,映画好き。人生や時々の出来事を語る。脚本家だけに文章が上手い。また,感性がすごい。また,最後の書評集は味わい深い。山田の感性に触れていくようだ。一つ一つ読んでみる楽しみができた。早速,最寄りの図書館ネット検索で予約しよう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

豚バラキャベツ鍋

2016-01-11 | food
キャベツが安く手に入りました。しかし,この季節,鍋といえば,大根,白菜が主で,キャベツはマイレシピにありません。そこで,ネットで検索。簡単手早くできると紹介されていたのが,この豚バラキャベツ鍋です。材料もシンプル,時間もかかりません。

材料は4人分です。
1 キャベツ1/2個(620グラム)。豚バラ薄切り肉200グラム,酒大さじ2,
2 A・・・水カップ3,ほんだし大さじ2.しょうゆ1・1/2,ほん塩小さじ1

作り方
1 キャベツはザク切りにします。
2 鍋に豚肉を底からフチにかけて放射状に敷き入れ、中央に1のキャベツを入れ、豚肉で覆うように包み、酒をふります。


3 あらかじめAを作っておき,加えてフタをして火にかけ、10分ほど煮ます。


ふきこぼれないように、火加減は調整してください。

Aを鍋に加えても水分が見えないので心配しましたが,沸騰し,ふたをあけてみたら,きっちり水分が出ていました。この写真は8人分です。キャベツを盛るときに,結構かさばったので,3/4個に抑えました。こんなに小さくなるのなら1個思いきっていれればよかったと思いました。
和風の醤油雑煮風味のおいしい鍋ができあがります。シンプルでほくほくのキャベツとがっつり豚バラを召し上がれ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長いお別れ

2016-01-10 | book
中島京子は1963年生まれの2010年の直木賞作家。その最新刊の「長いお別れ」を読んだ。2015年5月刊行。2013年から2015年にかけて月刊文芸誌に掲載された8つの章からなる。
認知症を題材に,家族を考えるテーマ。認知症の様子がリアリティをもって描かれているのが印象的。

東京郊外に住む70代の夫婦。東昇平と曜子。元校長の昇平が高校の同窓会に行ったと思っていたら,行かなかった,いや行けなかったことから,アルツハイマー型に認知症と判断される。病気の進行と3人娘の家族。アメリカに家族で住む長女の茉莉,東家の近くに家族で住む次女の茉菜,東京でフードコーディネーターをしている独身の3女の菜奈。

「全地球測位システム」。昇平に携帯電話を持たせる一家。GPS機能付き。
「私の心はサンフランシスコに」。昇平と曜子は長女の茉莉に会いに行く。一週間のアメリカ旅行の顛末。
「おうちへ帰ろう」。昇平の生まれ故郷の静岡県の掛川市を訪れる。
「フレンズ」。大学の同級生が死んで,昇平と菜奈は葬式に行くことになる。菜奈のお見合い騒動。
「つながらないものたち」。東日本大震災。40代も近くなった菜奈の恋。昇平は会話もおぼつかなくなっていた。
「入れ歯をめぐる冒険」。昇平の認知症は進む。入れ歯を壊すようになり,薬を飲むのも嫌がる。
「うつぶせ」。曜子が網膜剥離で入院した。茉菜,菜奈姉妹が昇平の世話をすることに。ドタバタ。
「QOL」。昇平の熱が下がらない。骨折していた。在宅ではみられなくなる。いろんな施設を見て回る茉菜と菜奈。そのうちに病院で死を迎える昇平。その病院に曜子も入院していた。

物忘れ,徘徊,意味不明な会話,下の世話,介護サービス利用。まさに24時間の在宅介護。認知症と10年間の闘病記。死への準備,それが長いお別れ。家族それぞれの横顔,心の動きを丹念に描き,認知症の描写もすごい。表紙の絵がなんともリアル。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

御宿かわせみ(23) 源太郎の初恋

2016-01-03 | 御宿かわせみ
御宿かわせみ23冊 「源太郎の初恋」
初出 オール讀物平成8年7月号から9年2月号
1997年6月

「虹のおもかげ」
定回り同心 吉田又茂51歳が殺された。先妻の子,後妻の2人の姉妹,隠し子の登場で跡目相続が混乱する。方月館から講武所へ行く途中に,蝉取りをしていた5,6歳の少年。東吾は蝉取りを一緒にしてやる。麻生の家で木村琴江と出会う東吾。筑紫の柳河へ国家老として帰ったが夫が卒中で亡くなったという。琴江は,主君の娘が嫁ぐ多度津へ麻太郎と行くという。蝉取りの少年は麻太郎だった。

笹船流し」
麻太郎を見た東吾の心情。引き取りたいと宗太郎を通し,琴江に伝えるが。琴江は木村麻太郎として生きたいと伝えてくる。長助が本願寺で出会った一人の女。自分の名前や居所を思い出せずにいた。かわせみに連れてくる長助。宗太郎にも見せるが治る気配がない。そんな中,藤沢で平塚代官所の御用を勤める柏屋藤蔵が妻のおすみの妹おけいではないかとかわせみにやっていくる。藤蔵を見た途端におけいは記憶を取り戻す。るいのおめでたが発覚。

迷子の鶏
かわせみに迷子の鶏がつがいで住み着く。源三郎はお寺の釣鐘泥棒に手を焼いている。東吾が鶏騒動と釣鐘を結び付ける。

月夜の雁」
東吾は兄通之進の命で姉香苗と唐墨を求めに対山軒へ行く。応対した内儀のお俊32歳,主人の善右衛門48歳。宗太郎の所へ薬草を持ってきた亀有の百姓の15,6歳の息子丑太郎。その丑太郎ついでに13歳の妹のお卯のが奉公している店へ鯉を持っていくという。東吾が付き合うとそこは対山軒だった。その鯉こくで,主人善右衛門が殺された。心配するお卯のの家族。

狸穴坂の医者
狸穴の方月館の近くで起こった麻布の大火。そこで親身に治療にあたる小野寺十兵衛45,6歳。その後妻はあさので5年前に結婚した25歳であった。そのあさのは弟子の久之助26.7歳と家を出ていく。その騒動に巻き込まれる東吾。あさの,久之助,十兵衛ともかわせみに東吾を訪ねる羽目になる。十兵衛はあさのに離縁状を書くことになる。ところが,その十兵衛が3番目の妻をもらったという。これが19歳だった。

冬の海」
るいがお腹の子によいと散歩に出かける。海の見えるところで女に出会う。その女はお吉の財布を拾い渡す。お吉は八丁堀育ちが財布を落とすなど情けないとしょげるが,東吾はなんとかつくろう。その女,おとくは千代松という男の子がいた。生きていれば21歳,10歳のときに手放したという。東吾が源太郎に凧を作ってやろうと材料を買いにいき,その女が掏るところを見る。悲しい人の運命と人生の無常。名作。

源太郎の初恋」
畝源三郎の倅,源太郎は7歳になった。母の千絵が歯痛で悩んで,いっしょに日比谷稲荷に詣でる。麻生宗太郎と七恵の娘花世も乳歯が入れ替わろうとして抜歯に悩んでいた。源太郎は花世のために一緒に日比谷稲荷へお札をもらいに行く。2人は東吾に会いたくて,狸穴の方月館に行こうとするが,暗くなり,途中の番屋に立ち寄るが。放火犯をつかまえる2人。
子育ての難しさを抱える3人,宗太郎,源三郎,東吾。

立春大吉」
るいが女児を出産する。喜ぶ東吾が長助の蕎麦屋長寿庵を訪れると2,3歳の児おせんが一人で煮込みうどんを食べていた。母親はお初といい,博打が趣味という。お初の母親は8歳の時に駆け落ちをしていなくなっていた。かわせみに泊まった信州からの女隠居の団体。つきそいのその女中にお民がいた。お初の母親だという。そして,おせんがさらわれた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

明けましておめでとうございます

2016-01-01 | life
いつものテレビ体操は,元日だけは特別版です。指導,女性陣,ピアノ伴奏の勢揃い。いつもながら楽しい番組構成です。
一昨年は晴れ着,昨年は祭り衣装,今年は,スポーティーな雰囲気で,よかった。

そして,初日の出,ご来光にチャレンジ。出ました!!。一年の健康,無事を祈りました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする