パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

夏目漱石の百句

2024-08-25 | book
ふらんす堂の百句シリーズの最新刊、「夏目漱石の百句」を読んだ。井上泰至(やすし)著。2024年6月初版。

夏目漱石といえば、明治の文豪。同年の正岡子規と親交を深め、作句に励んだ。慶応3年(1967)生まれなので、年齢は明治22年(1989)の作なら22歳と考えればよい。
岩波文庫の「漱石俳句集」(坪内稔典編)を横に置いて、酷暑の夜の百句を楽しんだ。

その日付と漱石の足跡を重ね合わせてみる。
同い年の兄嫁の死、明治25年。
明治28年松山中学の英語教師
明治33年英国留学
明治35年正岡子規死去
明治36年帰国、東大講師
明治38年「吾輩は猫である」発表
明治40年朝日新聞入社
明治43年修善寺療養
明治45年大正元年
大正5年明治49年49歳で没

折々に漱石の句。
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ツユクサナツコの一生

2024-08-18 | book
イラストレーターの益田ミリの漫画「ツユクサナツコの一生」を読んだ。2023年6月刊行。翌7月に2刷。週刊誌に2021年から2022年にかけて連載された。全21話。
益田ミリは1969年大阪生まれ。本作も関西弁で。

コロナ禍で、ドーナツ屋でバイトする32歳の独身の漫画家ツユクサナツコ。ネットに漫画を投稿している。母は亡くなり、父と二人暮らし。姉はいるが、結婚し東京に住んでいる。

なにげない日常の生活。ふと疑問に思うさまざまなこと。そして、各話にツユクサナツコ作で挿入される「おはぎ屋 春子」。
最低限のバックと同じ太さの細い線。シンプルな構図。そして、益田独特の間。この間がいい。

第28回(2024年)手塚治虫文化賞の短編賞を受賞した。
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田辺聖子 新源氏物語

2024-08-11 | book
現在放映中の大河ドラマの「光る君へ」は、源氏物語をいやが負うにも思い起こさせる。高校の時、古典の授業で習った源氏物語の世界に触れようと、当時10巻完結の円地源氏を大人買いした。ところが、教科書の部分だけで、挫折した。その10巻は半世紀経た今も書架にある。昭和47年発行の昭和50年1975年12刷だ。

そして、今年、田辺聖子の新源氏物語を図書館で借りた。田辺源氏は口語訳の直訳ではない。読みやすさもあり、なんとかなりそうと思った矢先、円地で源氏に栞の系図が各巻にあったのを思い出した。この系図がほんとうに助かった。多分、この系図がなければ、登場人物の関係がとても維持できなく、また、挫折していたと思う。読み進むたびに、付箋を貼ったり、線を引きたくなり、文庫の全3巻を買った。昭和59年に発行、令和5年に62刷だ。6月22日に読み始め、8月8日に読み終えた。猛暑の季節に至福の時を過ごすことができた。

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田辺聖子の百人一首

2024-08-04 | book
大河ドラマの「光る君へ」。平安時代の空気に触れながら、5月に購入した「田辺聖子の小倉百人一首」を読み終えた。1989年平成元年に刊行され、平成3年に文庫化。令和5年には37版だ。文法や直訳ではなく、作者や背景に焦点を当て、お聖さんカラーあふれる一冊だった。
傍らには、高校時代、昭和48年1973刊行の文法解釈本がある。茶色になり、シミもある。

奈良時代の前の飛鳥時代の天智天皇、持統天皇から始まり、鎌倉時代の承久の変の後鳥羽上皇、順徳院までの100人一首だ。女性も21人だという。柿本人麿や小野小町、和泉式部や紫式部、紫式部の娘の大弐三位(だいにのさんみ)、清少納言もいる。西行法師や鎌倉右大臣(実朝)もいる。
高校時代から半世紀経った。楽しいひと時を過ごせた。
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