パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

ルパンの娘 

2021-01-31 | book
1975年生まれの推理小説作家の横関大(よこぜき・だい)の「ルパンの娘」を読んだ。2015年8月刊行。テレビドラマ化で知った作品。警察一家の警察官、桜庭和馬と、泥棒を生業とする三雲一家の長女、派遣で四谷の図書館司書として働く華との恋愛ストーリー。この設定で、ドタバタは覚悟するのだが、展開がスピーディー。登場人物も個性的で賑やか。その展開は、息も切らせぬ推理小説。

和馬と華は、付き合い始めて1年弱、結婚を前提にした両家の顔合わせのドタバタの傍らで、華の祖父、伝説のスリ師、巖が、荒川の河川敷で、ホームレスとして殺された。その捜査に和馬があたり、その巖が定期的に飲み屋で会っていた有名私立大学の同級生が和馬の祖父76歳の元警視庁捜査一課課長の和一だった。また和馬と華の出会いも仕組まれていた?。この辺から両家の糸が絡まり始める。

捜査を進める和馬。被害者のホームレスを追うが、その被害者が華の祖父、巖だと突き止める。また、いつも華を送る家は無人だとわかる。和馬に起きる三雲家への不審。2人に訪れる破局の危機。折り返し地点だ。
和馬が華と結婚指輪で訪れた青山の貴金属店で起きた強盗事件。捜査本部はホームレス殺しの幕引きを図り、和馬はそちらの犯人探しの捜査に変わる。運び屋の男を突き止めるが、奪った貴金属を2人組に奪われたと言うのだ。和馬は、悦子が泥棒であることを突き止める。
巖と和一の過去が明らかになり、和一の妻、和馬の祖母に関わる事件が浮かび上がる。その犯人を巌は追っていた。和馬と華も別れることに。そして、三雲一家も離散する。

1年が過ぎ…。和馬は1週間後に別の女性と結婚式を挙げることになっていた。華の兄、渉が三雲一家に全員集合をかける。そして、結婚式の当日を迎える。和馬と華はどうなるのか。巖を殺害した犯人はだれか。
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龍太俳句入門

2021-01-24 | book
藤田湘子の「新版 20週俳句入門」に前後して発刊されたのが、俳人、飯田龍太の「龍太俳句入門」だ。湘子と龍太は同世代。

飯田龍太は、虚子門下4天王の一人、飯田蛇笏の息子、4男だ。祖先の住む山梨県で暮らした龍太は、大正9年1920年生まれ、平成19年2007年に87歳で亡くなる。つまり、2020年は生誕100年になる。

その龍太が、1985年昭和61年に、NHKテレビの婦人百貨の「俳句入門」のテキストの中から選んだ本、「龍太俳句入門」を読んだ。昭和61年といえば龍太が65歳。夏井先生、湘子とともに紹介した本は、いずれも還暦過ぎた作品。初版は令和2年2020年4月。本書は、平成22年2010年刊行の「俳句は初心 龍太俳句入門」を再編集したものだ。
この昭和61年は、私が就職直後の20代後半の時期。仕事を覚えることで夢中の日々だった。

解説は夏井先生だ。

4つの章からなる。
第1章は、まず、俳句の成り立ち、その特色と魅力を伝える20のエッセイからなる「俳句の特色と魅力」。目から鱗。発見のある含蓄多き作品群。何回読んでもありがたい。
そして「秀句12か月」。龍太先生の鑑賞力を楽しもう。「なるほど…」の連続。
3章は「添削と助言」。テキスト「俳句入門」の投句の龍太先生の選評から。つまり、自選の心得を習得しよう。
最後の4章は、「自作の周辺」と題し、四季に分けた自分の句を解説する。

湘子本が、まさに実作、俳句を作るための実践本なら、この龍太本は、俳句という歴史浅い文芸の基本と、心と目を養う鑑賞、そして、添削・自選で実作の心得、つまり理論を学ぶ本だ。
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メジロ来る

2021-01-17 | life
椿のピンクの花と大きな黄色の蜜。そして、明るい緑の葉。
その中に、チョロチョロと動き回る小さいもの。保護色の体だ。

そうメジロが今年も来てくれた。

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藤田湘子の「新版 20週俳句入門」

2021-01-17 | book
2010年平成22年4月25日に初版、令和元年2019年11月に購入したのは平成31年2月の11版。藤田湘子の「新版 20週俳句入門」だ。昭和63年1988年に刊行され、平成12年2000年に改訂されたものだ。

藤田湘子は、大正15年1926年生まれ。水原秋櫻子に師事。2005年平成17年に79歳で没。この本も夏井先生と同様、湘子が還暦過ぎに書いた本だ。

子規の俳句を継いだ高浜虚子。その「ホトトギス」の大正期に活躍した四天王は、村上鬼城、飯田蛇笏、原石鼎、前田普羅だ。その次の世代を四S(シーエス)といい、水原秋櫻子、山口誓子、阿波野青畝、高野素十の4人。その一人が秋櫻子だ。また、女流の俳人の四T(シーティー)といい、橋本多佳子、中村汀女、三橋鷹女、星野立子の4人だ。

湘子は、題名のとおり、20週で勉強法を提示。4つの俳句の型の提案し、実作のテクニックをまず、教える。俳句は、まず、型から。
そして、毎回、今週の暗誦句がある。鑑賞はない。とにかく覚えなさいだ。覚えないと先に進めませんと先生。きびしい。
暗記した。しかし、次週に入ると、忘れている。湘子先生、すみません。この横柄さ、独断と偏見が、逆に心地よい。頑固な湘子ワールドだ。

暗誦句に登場するのは、高浜虚子、村上鬼城、飯田蛇笏、原 石鼎、前田普羅、水原秋桜子、渡辺水巴、山口誓子、阿波野青畝、久保田万太郎、高野素十、日野草城、杉田久女、富安風生、山口青邨、中村草田男、石田波郷、松本たかし、川端茅舎、加藤楸邨、西東三鬼、橋本多佳子、三橋鷹女、星野立子、中村汀女。

さらに、素人に4つの型ごとに句を提出させ、添削することで、自選という句のブラッシュアップを具体に伝え、成長を促す。

もちろん、実作のために必要な、第1週で「心構え」、2週で「作句の必需品」を提案する。

とにかく、型の大切さを伝える、ほんとうの実作のための入門編なのだ。
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大河の一滴

2021-01-11 | book
300万部のロングセラー、ベストセラーの「大河の一滴」を読んだ。著者は、1932年、昭和7年生まれ、88歳の五木寛之だ。

1998年、平成10年4月に単行本、1998年は五木が66歳。60を過ぎて、後半にかかろうとするころの作品。そして、文庫本は翌1999年平成11年発刊で、2020年、令和2年5月になんと42刷だ。11年で42刷というからすごい。
構成は「人はみな大河の一滴」、そして、他紙に掲載された「滄浪の水が濁る時」「半常識のすすめ」「応仁の乱からのメッセージ」、そしてNHKラジオ深夜便の原稿起し「ラジオ深夜一夜物語」だ。

昭和一桁生まれ、敗戦での朝鮮からの引き上げ、大学進学、そして、作家へ。
時代は、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、神戸の中学生の小学生殺人事件、1年間に2万人の自殺者と10万人の自殺を試みる人々、HIV、O157、いじめ。

ブッダ、親鸞、蓮如の言葉。地獄は一定、役に立つ人間は立派な人間か、人間は常に病気である。本当に悲しむことが大切、だれも老い、死から逃れることはできない。

発売以来20年を超えた今、五木のメッセージをどう受け取るか。それは、自由だ。300万人もの人々が購入したこの本を、時代背景をもとに、大河の一滴の意味を、かみしめるだけでも意味がある。

図書館で借りたが、途中で、線やマーカーを引きながら読みたくなり、買ってしまった。
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夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業

2021-01-10 | book
2019年令和元年の11月に購入したのが、松山を本拠地にご活躍の俳人、テレビで有名な夏井いつき先生の「夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業」だ。2018年8月刊行。2019年7月には11刷。

夏井先生は、1957年昭和32年生まれ。同世代だ。松山市在住。8年間の中学国語教師を経て、俳人に転身。この本は夏井先生が還暦の時の作。帯には先生の髪が少し白くなった着物姿の写真がある。

なぜ、先生と呼ぶのか。それはいずれ機会があれば、お伝えしようと思う。

実は、この本の紹介をすべきなのだが、どちらかというとこの本で紹介されていた本をお伝えしたいというのが、本旨なのだ。

この本は俳句を作る。実作の心構えを述べたものだ。俳句入門本だ。
この本を読んで即、俳句が作れるとは思えない。だが、初心者で、俳句を何もわからなない人には、まさに入門編といえるのだ。字も大きく、対話形式なので、読みやすい。これがなによりも大切だと思う。俳句の作り方の心構えをまず述べる。1時間目が、「自分の俳号を考えよう」だ。まず、形から入れか。

そして、最後に夏井先生が、紹介する俳句入門のバイブルが、藤田湘子さんの「新版 20週俳句入門」だ。
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すぐれもの 26 電子辞書 2/2

2021-01-03 | すぐれもの
電子辞書には、中学生、高校生、大学生用のほかに、大人用がある。英語や百科事典はもちろん、先の国語、漢和、古語、歳時記や植物、動物の図鑑も入っている。

文字入力のテンキーや移動のカーソルキーがある。それにタッチペンがついていて、漢字を書くと候補を出してくれる。インターネットの漢字検索もあるが、電子辞書は、本とつながっているので出典が明らか。安心感がある。
ましてやメモ機能があり、タッチペンでメモができ、保存できる。
表示部でお気に入りの辞書のアイコンを、最初のホーム画面に出しておくと便利だ。
購入したのは、電池式ではなく、充電式のもの。最新モデルでなく、型落ちの旧式だ。それでも便利。軽い。
正岡子規と電子辞書。ありがたい。
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すぐれもの 26 電子辞書 1/2 なぜ今電子辞書か?

2021-01-01 | すぐれもの
還暦も過ぎて、今更電子辞書かよ。とおもわれるかもしれない。実は、我々の学生時代は、電子辞書なるものは存在しなかった。つまり、英語、古語などの辞典をカバンに詰め、通っていたのだ。厚いカバンがいやで、持ってこなかった同級生もいたが…。そういえば、彼は高校の校長で定年退職したなあ。

正岡子規にはまり、俳句を鑑賞し始めた。俳句は、奈良・平安の頃からの短歌を源流に、上の五・七・五が独立したものだ。室町の五・七・五と七・七を交互に読む連歌の発句としての五・七・五。そして、1600年代江戸時代の前期の松尾芭蕉、1700年代中期の与謝蕪村の俳諧。そして、「俳句」としての名称を提案した明治の正岡子規だ。

つまり、文語(今は口語)で読まれているのだ。そして、書き方も、現代仮名遣いではなく、歴史的仮名遣い(旧仮名)なのだ。だから、読みづらい。

俳句に見せられた子規の「柿くへば鐘がなるなり法隆寺」という句がある。岩波文庫の子規句集では、明治28年、28歳の時に、「法隆寺の茶店に憩ひて」とある。

たとえば、この「へ」だ。現代仮名遣いでは、「くえば」だ。国語辞典で引くと、「く・う 食う クフ 他五」とある。この辞書では、旧仮名遣いはカタカナで表現するので、「食う」は旧仮名遣いでは「食ふ」となる。今度は、古語辞典の出番だ。引くと「く・ふ(食ふ)クフ(は・ふ・ふ・へ・へ)他ハ四」とある。「他」は他動詞、「四」は4段活用のことと書いてある。

この「へ」の次の「ば」は、助詞の接続助詞だ。佐藤郁良の「俳句のための文語文法入門」では、「・・・ならば」という仮定を表すなら動詞の未然形に接続し、「・・・したところ」というすでに起こったことを表すなら動詞の已然形に接続するというのだ。

動詞や形容詞などは品詞といい10種類ある。その中で活用(変化する)するのは、動詞・形容詞。形容動詞・助動詞の4つ。これを活用語という。
その変化の種類は6つある。未然・連用・終止・連体・已然(口語は仮定)・命令だ。これを6つの活用形という。この「柿くへば」はどうなのだろう。

接続助詞の「ば」の前は、「へ」だ。古語辞典では、「へ」は、(は・ふ・ふ・へ・へ)」だから、5番目か6番目の已然か命令だ。助詞の「ば」は、未然か已然接続なので、「へ」は仮定ではなく、すでに起きたことを意味することになる。仮定なら、「柿くはば」になるのだ。これは決まりなので、どうしようもない。
子規の句は、柿を食べたというシチュエーションなのだ。

そんなことを考えながら子規の俳句を鑑賞すると、文語のこと、旧仮名遣いのことなど、国語と古語の辞書がないと、理解ができない。ましてや、読めない漢字がいくつも出てくる。そうなると漢和辞典の出番だ。つまり、俳句を鑑賞するには、国語、古語、漢和の3冊の辞典がいることになる。これが重たいのだ。

そこで電子辞書なるものを調べてみた。

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