パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

大晦日にボブ・ディラン

2016-12-31 | music/pops
大晦日を迎えた。今年の後半の話題といえば、やはりボブディランのノーベル文学賞「騒動」であろう。やはり、話題性ありの顛末で、まだ余韻は残る。

新聞記事で追う。10月14日付で、13日スウェーデン・アカデミーが、2016年ノーベル文学賞をアメリカのシンガーソングライターのボブ・ディランに授与すると発表した。なんといってもミュージック界の生きる証、1941年生まれだから75歳。その交際の歴史は、フォークの重鎮、ウッディ・ガスリー、ミュージシャンのエルビスプレスリー、ポップ界のビートルズ、ロック界のローリングストーンズなどなどである。

ところが、その発表を受けて、ディランは沈黙を守ってしまう。新聞は国内の関係者の声を連日、掲載している。そして、17日には、なんとアカデミーはディランへの直接の連絡を断念してしまう。しかし、10月28日にアカデミーにディランから電話があり、賞を受けることとなる。なんとディランは、12月10日の授賞式には欠席し、メッセージを寄せた。

1962年、21歳でレコード「Bob Dylan」でデビュー。依頼今日まで、多くのレコード、ステージを提供してきた。

ディランとの出会いは、高校生の時、1974年のPlanet Wavesだ。


レコード書評で知り、両親にアナログレコードを買いにいってもらった。ところが、ついていけない。それもそうだろう。当時、ビートルズの後追い(すでに解散していた)、夢中になったのは、エルビスプレスリーのパフォーマンス、今なお健在のブラスロックのシカゴだった。とてもブルースやカントリー、そして難解な詩、あのだみ声に夢中になる素地はなかった。全曲聞いていない。




でも、はやりディランを知りたくて、当時よく出ていたベスト盤を購入する。1977年、大学時代に購入したゴールデン・グランプリ30シリーズだ。






しかし、これも、当時はやっていたフュージョンジャズを凌駕するほどでもなかった。







そして、3度目正直が1997年2月の大人買いである。
1967年3月リリースのグレーテスト・ヒット第1集


1971年11月リリースの第2集


1994年11月、23年ぶりの第3集



この3枚の一機、大人買いである。しかし、これも関心を寄せる契機にならなかった。
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伴連れ

2016-12-25 | book
安東能明の綾瀬署、柴崎令司シリーズの第3弾、「伴連れ」を読んだ。平成28年5月文庫。2014年から2016年にかけて雑誌連載。5つの短編からなる。

東京、警視庁。綾瀬署が舞台。署長のキャリア坂元真紀。副所長の助川。そして、主人公の警務課課長代理、警視庁総務部企画課でエリートコースを歩んでいた柴崎令司。組織の不祥事で、所轄の署に飛ばされ、悶々とした日々を過ごしている。

掏られた刑事
26歳の女性刑事、高野朋美が警察手帳を掏られた。本人はいたってあっけらかんとしている。署長から、高野の上司、刑事課長の浅井とともに調査を命じられる柴崎。そこに同じ刑事課の波多野係長の高級時計に気づく柴崎。高野の足取りを追い電車の駅構内での何気ない人の動きから、ある別の事件を突き止める。昔の上司から本庁への復帰を打診される柴崎だったが・・・。警察という組織の中で、うごめく人々。そして、社会悪との対決。警察小説のだいご味を再び。

墜ちた者
綾瀬署で17歳の若者がアパートから転落死する。しかし、危険ドラッグが検出されたことから事態が急展開する。生活安全課少年第2第3係や刑事課も動き出す。青少年の更生の場へ顔出した柴崎は、生活安全課の50歳の中道係長と知り合う。一方、大森署で振り込め詐欺の大掛かりな家宅捜索に踏み込むが末端の若者が逮捕されただけだった。柴崎は転落死の現場に行きキャッシュカードを見つける。転落死、危険ドラッグ、振り込め詐欺の点を若者たちが線で結んでいる。前作の高野刑事が若者の張り込み役で登場する。坂元署長が署員との交流の仕方を柴崎に相談するシーンも。

Mの行方
綾瀬署にDV被害が届けられる。29歳の男性が26歳の女性に対して付きまとい、暴力を振るっていた。女性には別に付き合っている男性がいた。
誓約書を書かせても女性の転居先にも姿を現したらしい。生活安全課の担当だが、坂元署長は、女性ということもあり、刑事課の高野刑事も関わせる。そして、柴崎も高野の世話係でこの事件に首を突っ込むことになる。男性はリベンジポルノに走り、告訴状でストーカー規制法違反へと話が展開する。そんな中、男性が姿を消した。そして、自分も死ぬとビデオメッセージが彼女の転居先に届けられる。その映像から柴崎は男性の居場所を突き止めるが・・・。

脈の制動
医療クレーマーの男性がいた。それも、柴崎の義父の山路が勤める病院だった。しかし、医療事故として綾瀬署が動くと、男性は退院してしまう。刑事課はその線で男性を追及する。刑事課の高野刑事が男性の家庭に行くと妻は看護師で連れ子の娘がいた。その保育園で虐待の痕跡を見つける。医療事故なのか、それとも・・・。刑事課での軋轢。Mの行方の自信を喪失していた高野は独自の捜査を始める。柴崎の援助を受けて立ち直る高野刑事。

伴連れ
マンションの一室で強盗傷害事件発生。車いす生活の80代の男性が重傷を負い、70代の妻もケガをした。被害者対応で柴崎が、刑事事件で高野が活躍する一編。捜査を進めるにつれ、次々と明るみに出る事実。度々空き巣に入られていた、老夫婦は階下の家から何回もクレームを言われていた、管理人が住民会費を横領していた、マンションの周りにたむろする若者たちにお金が渡っていたなど。高野は老夫婦の傷の具合に疑問を抱く。そして、最後に明るみになる老夫婦の事実。妻から語られる言葉。
ひとつの事件から、どんどん新たな事実が明らかになり、柴崎ら綾瀬署のメンバーが、当初考えられなかった真実を突き止めていく。安東の警察小説のだいご味だ。
伴連れは、暗証番号を押した住人のうしろについてマンションに侵入する手口だ。
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風待心中

2016-12-23 | book
1958年生まれの小説家,山口恵以子の新刊「風待心中」を読んだ。新聞書評から。2016年3月刊行。同年代の作家だ。2007年に作家デビュー。

江戸で蘭学を学ぶ1人息子,20歳の真吉と,若くして夫に死なれ,裁縫を生業に,真吉を女手一つで育て上げた長屋に住むおせい親子の話。

親子の周りで起きる殺人事件。夜鷹,幼子,武士などが次々に殺され,奉行所の探索とともに,一部の事件の下手人も明らかになっていく。

英才とうたわれ,蘭学塾で長崎行きも決まった真吉。おせいが姉の様に慕う10歳年上のおとせ。おせいが心を寄せる亡き夫の弟弟子の辰次。真吉に心を寄せる塾の恩師の娘多代と手伝いのおさき。真吉を妬む塾生,旗本の4男坊,恭之介。
多くの登場人物が絡み合い,情念のなせる人間模様が次々に。驚きの事実も明らかになる。

山口はシナリオを学び,脚本家を目指していたというから時代劇を見ているような錯覚に陥る。テンポも速く,読んでいて飽きが来ない。

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出署せず

2016-12-18 | book
安東能明の綾瀬署、柴崎令司シリーズの第2弾、「出署せず」を読んだ。平成26年2014年7月文庫。2013年から2914年に雑誌連載。5つの短編からなる。

「折れた刃」
綾瀬署にキャリアの女性署長がやってくる。柴崎は警務課課長代理の37歳。署長は1歳年下の36歳だ。その坂元署長は、内部通報で生安扱いが地域課扱いになった。それは刃渡り6センチにあった。カッターの刃を折り、地域課あつかいにしたという。それは定年前の石村地域課係長だった。柴崎は、しらばっくれる石村に、地域課や署員、行きつけの飲み屋、トラブルを起こした駅などを調べ上げ、背景にせまる。「随監」で登場した交番の有名所長、広松も登場する。

「逃亡者」
自転車の追突事故が発生する。車は逃走し、犯人はなかなか捕まらない。署長の坂元は本庁に助力を得る。そして、事故車が見つかる。盗難届を出していたのは左官業の社長。どうもやめた若い従業員がいるらしい。前科者で容疑者として決まりかけていた。しかし、従業員や社長、若者の供述から腑に落ちないものを感じた柴崎は、交通課とは別に独自に調査を始める。

「息子殺し」
管内で製麺業を営む保護司63歳が、引きこもりだった実の息子35歳を殺害した。息子は酒乱で度々父親に暴力を振るっていたらしい。2人家族で起きた悲しい事件。刑事課長は、なぜ人望熱い保護司がそこまで追い詰められたかに疑問を抱いていた。柴崎は、ある未解決の殺人事件に突き当たる。

「夜の王」
9年前の強盗殺人事件。その証拠の4本のたばこの吸い殻の顛末。4本のたばこの1本に異なるDNAがあった。そのDNAの持ち主は、つい最近おきた強盗事件の容疑者のものだった。刑事課のベテラン係長城田は夜の王と呼ばれ、夜勤の仕切りが得意だった。しかし、副所長の助川と犬猿の仲。これまでの単独犯から共犯事件になるのか。その証拠の管理を確認する月例観察が近づいてくる。柴崎は坂元署長の命を帯びて、この事件を洗い直すことになる。最後に坂元署長が出した結論とは。

「出署せず」
今回所収の5編のなかでは、中編ともいえる後編。5年前に失踪した矢口昌美の父親が娘を探し始めた。坂元署長は再捜査を刑事課に命令するが、なかなか動かない。そんな中、ひったくりの被害者が被害届を出さない案件が出る。その加害者の取り調べ方法で弁護士から揺さぶりを受ける綾瀬署。坂元署長は、取り調べにあたった署員を自宅謹慎にする。刑事課と署長の軋轢は決定的になる。その被害者に被害届を出す任務を柴崎は坂元から命じられる。すると矢口昌美と被害者の南部に過去、接点があったことが明らかになる。両者の関係を洗い出す柴崎。坂元は動かない刑事課を見捨て、本庁に調査協力を命じる。
坂元を軌道修正させる柴崎。エリート官僚とたたき上げの署員の息苦しいほどの緊張感が、真犯人を追い詰める展開と交互する。

エリート官僚の女性署長と男性職場の現課。その間で右往左往する柴崎。なぜ、自分だけこんな目に合わなければならないのか。早く、本庁に帰りたい。一方で実家も長男の中学生が学校に行かなくなる。仕事場と家庭の両方に居場所がなくなる柴崎の混乱。本書は、緊張感にさいなまれながらも、困難を地道な捜査で切り開く柴崎の姿に身につまされる人も多かろう。
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撃てない警官

2016-12-11 | book
「撃てない警官」を読んだ。作者の安東能明は1956年(昭和31年)生まれ。1994年に平成6年に日本推理サスペンス大賞優秀作、2010年平成12年にこの「撃てない警官」の中の「随監」で日本推理作家協会賞短編部門受賞した。綾瀬署柴崎令次シリーズの1作目だ。所収の7編は2007年から2010年にかけて月間文芸誌に掲載された。

「撃てない警官」
35歳の柴崎は警視庁企画課係長だったが、部下の拳銃自殺の詰め腹を切らされ、足立区の綾瀬署警務課課長代理に左遷される。上司はそのままの処分だった。

「孤独の帯」
綾瀬署管内のアパートで一人住まいの老婦人の縊死肢体が見つかった。長く現場から遠ざかり、逮捕経験のない柴崎は副所長の助川に現場に連れていかれる。助川は2年前34歳で警部に承認した時の研修教官の一人だった。自殺か他殺か。一人娘が最近母親に保険をかけた。他殺の可能性も出てきた中、柴崎は通帳の出し入れを気に掛ける。

「第3室第12号の囁き」
綾瀬署で世界大会の要人の警備計画書が無くなった。内部の犯行だと誰もが感じるが、その可能性があるのはだれか。そんな折留置場でのほう助の事実が明らかになる。青木巡査長28歳だった。でも青木は警備計画書は結んでいないと言い張る。

「片識」
綾瀬署の交番の警官、森島がストーカーをしている。その事案を追う柴崎。警視庁の本庁の中枢に勤めていたのに、今は、所轄のストーカーの尻尾を追い回す立場だ。その森島の息子が若い女性に刺された。

「内通者」
柴崎は、自分をはめて、本庁から追いやった上司の企画課長の中田の不正の証拠を探し当てる。柴崎は、義父の元警官、山路に相談を持ち掛ける。

「随監」
綾瀬署の交番に随時監査が入った。傷害の被害届が放置されていた。所長の広松が指示したらしい。コンビニで大人を殴り、けがをさせたのは、中学生の子らだった。大人は付近のコンビニで有名なクレーマーだった。

「抱かれぬ子」
ショッピングセンターで女子高校生が子供を産んだ。親子は義父の山路が勤める病院に搬送される。その子が病院から姿を消す。その顛末を山路に問う柴崎は、中田課長の不正を暴く証拠を山路に見せる。

警察という組織の中で、もがく警察官たち。それぞれに家庭を持ち、ジレンマを抱えながら生きている。警察小説の面白さは、そんなドロドロした人間関係を抱えながら、犯罪という行為に立ち向かう泥臭さにある。けっしてスマートではないが、だれも人間なんだということに気づかされる。安東の語りは、時代小説に通じるものがある。うごめく人間像だ。それが江戸時代の市井か、綾瀬署かという場の違いしかない。
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御宿かわせみ(34) 浮かれ黄蝶

2016-12-04 | 御宿かわせみ
浮かれ黄蝶 御宿かわせみ34
平成18年4月 初出オール讀物平成17年2月号~平成17年11月号8月号除く
いよいよ最終号

浮かれ黄蝶
月に3回,習い事で麻生家に通う麻太郎と源太郎。麻太郎はその折に,新内語りの鶴賀喜久大夫の家の前で,娘の15歳のお蝶と出会う。そのお蝶が風呂敷を12,3歳の子に奪われる。奪い返す麻太郎。そんな二人の様子を花世が見ていた。両国橋の回向院へ出かけた麻生花世と小太郎,麻太郎,千春,源太郎と小春は老人から財布を奪う少年たちを見かけ,麻太郎と源太郎は財布を奪い返す。通之進は,源三郎に少年たちを探るように命ずる。少年たちの頭がお蝶だった。

捨てられた娘
雛の節句で麻生家に集まった神林家,畝家の子どもたち。その中に花世の友達16歳の喜久江がいた。200石の旗本小林参市郎の娘だった。花世は,あの家は少しおかしいから,あの家から目を離さないようにしているという。小林家には女中上がりの後妻,おたねに甲太郎10歳,次男嶋次郎がいた。その甲太郎が行方不明になった。さらに甲府勤番を命じられた参市郎も,若党の定之助が途中ではぐれ,参市郎が甲府に着いていないと報告する。花世は東吾に2人に探してほしいと頼みに来る。旗本に起きた刃傷。花世は1人で生きていくと宣言する。

清水屋の人々
るいの茶の湯の師匠,寂々斎楓月の所へ出かけていったるいが,そこで会った向島の鯉料理の店,清水屋の内儀おきよを連れてかわせみにやって来る。このままでは殺されるという。姑のおもととの仲の悪さが有名。おきよの亭主は,おもとの亭主,清兵衛の甥の清七で店を立て直したという。おきよは3人目を身ごもっていた。おもとの乱心,清兵衛は女房と孫を殺害する乱行に及ぶ。やるせない嫁姑の確執。

猫と小判
三田の久保田町の畳職人の庄助15歳は祖母のお杉と2人暮らし。その飼い猫の虎吉が10両の入った灰色の袋を引きずってきた。狸穴の方月館の近くの菓子屋,千成屋の主人喜三郎がお杉に「無理難題を言っていたという。喜三郎の妹が嫁いだ大店の姑,お芳80歳が10両ずつ川や畑に捨てていた。お杉や喜三郎はその金を拾っていた。そのお杉が殺される。喜三郎を白状させる東吾の推理が冴える

わいわい天王の事件
6月16日の朝,芝浦の浜の魚船の中で男が殺されていた。その顔には赤い面がかぶされていた。それは昔,6月の祇園会の時にわいわい天王がかぶっていた猿田彦の面だった。源三郎,長助,仙五郎が必死に探索をしていた。その殺された男は伝吉といい,50過ぎで仕事をしているふうではないが,暮らしには困っている様子もない。かわせみの番頭の嘉助は昔,るいのために6月の長松寺の朝顔市に出かけ,本堂の裏で日本橋廻船問屋西国屋の25歳の若主人,重太郎が殺された事件を思い出す。その時,猿田彦の面をかぶった男がいたという。今の主人,重兵衛や従弟の助九郎も容疑があったが事件当日は江戸にいなかった。るいの亡き父,庄司源右衛門も嘉助も悔しい思いをしたという。その頃,かわせみには東吾が大阪で知り合った大阪の船問屋利倉屋の船乗りの新助がやって来た。利倉屋の娘婿にという話が決まり,親戚筋の江戸の利倉屋に泊まり,江戸で独りで暮らす母親おきぬを引き取りに来たという。おきぬは西国屋の女中をしていたとき,死んだ重太郎と結婚の約束をしていたという。新助は2人の子だった。その新助が伝吉と会っていたという知らせが入り,新吉が下手人ではないかと疑いがかかる。その新助に西国屋から迎えに来たと,新助が泊まっていた利倉屋からかわせみに知らせが入る。東吾が助けに行く。

二人伊三郎
航吉は,大阪から江戸にくるたびにかわせみで東吾に航海術のことを教えてもらっていた。
お石が住む堀江町界隈で,30過ぎの伊三郎が,5歳の頃,角兵衛獅子にさらわれ,自分の家を探していると有名になる。しかし,実は空き巣と置き引きの犯人だった。また,かわせみ泊まった大阪の船主,北方屋甚兵衛の供の1人も伊三郎といった。跡継ぎのない甚兵衛はこの伊三郎を跡継ぎにと考えていた。しかし,航吉とかわせみに来ていた父の岩吉は,この伊三郎に勘吉ではないかと声をかける。

公孫樹の黄ばむ頃
下総の市川の法林院からるいに法要の案内が届く。るいの父源右衛門の母,つまり祖母の兄,名主の千本喜右衛門の38回忌という。千本家には,るいが5歳の時に,母が亡くなった時にしばらく身を寄せていた。その喜右衛門の死後,後妻のおさん,先妻の長女お咲,お咲の婿でおさんの甥の作之助が毒を口にして一緒に死んでいた。るいはその場にいたという。るいは法要の翌日,潰れた千本家の跡に立ち寄る。そこで,木更津へ身を寄せた,お咲の妹おむらと出会う。おむらはとお咲はおさんから継母いいじめを受け,義兄の作之助は遊び人だったという。そして,お咲から,自分に何かあったら,この土地にいてはいけないと言われたという。父の源右衛門は事件後,おむらを送って木更津まで連れて行ってくれたという。なぜ,同心の父はこの事件を見逃したのか。37年前の出来事がよみがえる。御宿かわせみの最終回。
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