パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

独り居の日記

2017-07-30 | book
アメリカの女性詩人・小説家、メイ・サートンを知ったのは、2016年7月に刊行されたの「70歳の日記」の新聞書評であった。1912年生まれで、1995年平成7年に83歳で亡くなっている。図書館で見つけたのが1991年平成3年10月に日本で発刊された「独り居の日記」である。

解説を引用すると、「年齢を重ねるほどに、みずみずしい作品を発表したアメリカの詩人・小説家、メイ・サートン。1995年平成7年に83歳で亡くなるまで、その創作意欲は衰えをみせなかった。さかのぼって1960年代の後半、はじめて小説のなかで自分の同性愛を明らかにしたサートンは、 大学の職を追われ、折しも愛の関係のおわりと父親の死の直後で、失意の底にあった。やがて彼女は、世間の思惑を忘れ、ひたすら自分の内部を見つめることで新しい出発をしようと、まったく未知の片田舎、ニューハンプシャーの片田舎ネルソンで生活をはじめる。その頃の一年間の記録である。自然と動物たち、大切な友人との交流、詩作、読書、生と死をめぐる万感が、 無垢な感性と作家の思索をとおして文字になり、さらに、創造の時空としての孤独を見つめる穏やかな文章の水面下には、恐れ、悲しみ、喪失と、女性に禁忌とされてきた怒りの爆発を直視する「戦士」がいる」とある。

日々の独り暮らしの中で、自然、友人たち、畑、四季折々の花々。そして、心の葛藤などが赤裸々に語られる。始まりは、9月15日から翌年9月16日まである。そして、その時のサートンの年齢は1970年昭和45年、58歳の時だ。まさに自分の年齢と同様なアラウンド・シックスティなのである。現地では1973年昭和48年に発表された。偶然にも、この2016年9月に新装版が出た。図書館で注文し、数ページで購入を決めた。その感性を知り、逐次紹介することにしよう。
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マーボー厚揚げ

2017-07-23 | food
マーボー厚揚げ

ネギの100グラムは大量です。でも、ネギがいい味を出してくれます。量はケチらずに、ドサッといきたいですね。
豆腐は、絹ごしでは、崩れますが、厚揚げは崩れず、合わせ調味料と豚のひき肉とマッチして、しっかりした味を出してくれます。厚揚げは、普通の豆腐に比べ、少し高価ですけれど。
市販で甜麺醤があり、ほんとうに手軽になりました。季節を問わず作れるので、賞味期限切れも防げそうです。次回は玉ねぎのみじん切りで挑戦してみようと思いました。

材料(4人分)
厚揚げ2枚(400グラム)
豚ひき肉 200グラム
A
ネギ1本(100グラム)、ショウガ一かけ10グラム、ニンニク1片10グラム
サラダ油大さじ1
合わせ調味料:甜麺醤(てんめんじゃん)大さじ2、豆板醤(とうばんじゃん)小さじ1、しょうゆ・酒各大さじ11/2、砂糖・中華スープの素各小さじ1.水200ミリリットル、片栗粉大さじ1

作り方
① 合わせ調味料の材料を合せる。
② Aはみじん切りにしてボールに合わせる(ネギは飾り用に少しとりおく)。厚揚げは縦半分にし、厚さ1センチに切る。
③ 大きめのフライパンに油を温め、Aを加える。弱火で炒め、油がなじんだらひき肉を加え、強めの中火でほぐしながら炒める。
④ 肉によく火が通ったら、合わせ調味料を再度混ぜ、厚揚げを加える。煮立ったら弱火にして、2~3分煮る。
⑤ 盛り付けて、残したネギを散らす。
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おばちゃんたちのいるところ

2017-07-17 | book
松田青子(あおこ)の「おばちゃんたちのいるところ‐Where The Wild Ladies Are」を読んだ。2016年12月刊行。2015年から16年にかけて月間文芸誌に連載、1作品は単独文芸誌。17の短編から。

1979年生まれ。大学時代に役者。そして、卒業後、翻訳家。小説も書き始め、2010年小説家デビュー。2013年に単行本刊行。今を舞台に、幽霊を登場させ、あやしげでコミカルな小説群だ。タイトルの通り、女性を主役だ。それも巻末にあるように、歌舞伎や落語、戯曲を題材にしている。

失恋を機に、脱毛サロンに通っていたが、あの世からおばちゃんが会いに来て、心機一転、毛づくろいにはげむ「みがきをかける」
「牡丹柄の灯篭」。あの世からセールスの女性が二人訪れてくる。とうとう買ってしまう男の心理。
あの世から来るひなちゃんとの生活「ひなちゃん」
夫の浮気に嫉妬する妻。その解消法はものを投げること。そのやり方を披露する「悋気しい」。
就活に疲れた茂は、ある会社に採用される。しかし、どうも怪しい。「おばちゃんたちのいるところ」。
死人と会える線香を売るのを商売にしている汀(てい)さん。私は鼻が利かない。「愛してた」。
狐顔のクズハは人間なのか。「クズハの一生」。
「彼女ができること」。離婚した女性が子供を残し、ベビーシッターになる。
お寺でバイトをする若き女性の言動「燃えているのは心」。
アトピー・アレルギーを語る「私のスーパーパワー」。
有名な古いホテルが閉じる。その前に行きかう人々。「最後のお迎え」。
汀さんの会社のスーパーウーマンたち。「チーム・更科」
平日の休日のある日。ペットのガムちゃん。「休戦日」
「楽しそう」。お互いあの世で暮らす元妻と男
「エノキの一生」。体にできたコブ。元気になると誰もがその汁をもらいに来る。
「菊枝の青春」。姫路に住んで雑貨店を営む。仕入れた皿が一枚足りない
「下りない」。姫路を舞台にした第2弾。足りない1枚の皿を持ってきた若者。姫路にすんでいるという。

皆、いきいきと生活している人たち。なにかしら温かい。
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こころ

2017-07-16 | book
平成26年,2014年の4月から9月まで100年ぶりに新聞掲載された夏目漱石の人気小説,「こころ」(当時は心)を読んだ。110回。

新潮文庫で累計部数1位の名作。ところが,高校時代から何回かチャレンジするも挫折している。藤沢周平,山本周五郎しかり,読者側がのめり込むには,そのとき,そのタイミングで作品とマッチするかどうかだとわかっていても,取り残され感いっぱいの小説だった。

心理描写の手法なので劇画的に盛り上がりはない。先生と私,両親と私,先生とKのこと。この3部構成は新聞掲載時はなかった。大正3年1914年に連載され,1部と2部は「私」,3部は「先生」の心の吐露を通し,明治が終焉を迎える中,家族,異性,若者と仕事などの価値観が垣間見える。自己中心的な価値観,それを支える自立感の登場。コミュニティから個への変化。時代とともに社会は変化し,これらのあり方も100年で大きく変わった。一方で変わらない価値観もある。

しかし,漱石は,これだけの心情描写を次々と繰り出し,これだけで小説を完成させる技量。それも江戸が終わり,近代の風がどんどん送られてきた時代だ。いわゆる小説の有り様も手探りときに,小学6年からのファンレターもあったという。

ロングセラーの由縁は,人間の深層は,そんなに変われないのかもしれないということか。100年の時代の流れを感じて,読了した。

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ディップにはまる

2017-07-09 | food
そもそも英語のdipは、浸すという意味です。飲み物やソースに、食べ物をポチョッと浸して食べるたべかたのこと。転じて日本語では、そのソース自体を「ディップ」と呼んだりします。

梅雨が、近年、恐ろしい季節に変わってきています。昔のシトシト、ジメジメから、いきなりドーンです。ほんとうにいつ自分の地域が災害に巻き込まれるのか、わからなくなっています。
でも家庭農園の夏野菜は頑張って大きくなり、その恵みを我が家にもたらしてくれています。

そして、我が家に祝い返しでいただいた4種類のビン詰ディップがありました。田舎者の我が家は、これがなんなのかわからず、お蔵入り。それでも賞味期限が近づき、改めて職場の皆に聞くと、野菜スティックに浸けて食べるものらしい。

早速、取れたてきゅうりで試してみたら、こりゃいけます。

この4種類は瞬く間になくなり、市販ディップを求めてさまよいました。

今回求めたのが、写真の3種。

実は自家製も試してみました。
和風
マヨネーズ大3、味噌小1、鰹節適量
中華風
コチュジャン大3、味噌小1、砂糖(水飴)小1、白ごま(煎り、擦りどちらでも可)大1、ニンニク・しょうがのすりおろし適量、ごま油大0.5

明太子マヨ
市販の明太子にマヨネーズを適量。シンプルですが、やはり市販の明太子は偉大です。


市販者と比べると奥行きのなさが物足りませんが、それでも自己主張はきちんとしています。お試しあれ。
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お奉行、水がありません!

2017-07-02 | book
「お奉行、水がありません!」を読んだ。2016年11月文庫本で発刊。作者は山本雄生。1971年生まれで、本作がデビュー作。ライトノベルズというのか、軽いタッチで、テンポもよく、勧善懲悪のすっきり小説。水に苦しむ加賀百万石。算用場奉行に任ぜられた若き、稲葉左近が主人公。

二の丸御殿に水を運ぶ若き使用人の女性、お花を手伝う左近。桜が散り始める頃であった。初めての重役会議で、思わず水路工事の提案をしてしまう左近は、藩主、前田利常から、来年の春、桜が散るまでに完成させよと命を受けてしまう。当然、そこに立ちはだかる一派が現れ、逆に応援するメンバーも現れる。エンターテイメントの醍醐味だ。

藩主もないがしろにしようとする重心たち、奥村、本田、横山。一方、若き左近を応援する家人、太郎衛門とおゆう。水路を設計し、実現に導く技術者兵四郎と妻のおかね。名主の新之助、穴掘りの頭の赤松など。

お決まりのお花と左近の縁、水を導く隧道の落石事故、用水は完成するのか、ハラハラどきどきの楽しいひと時が待っている。もちろんハッピーエンド。これでなくちゃ。
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