パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

春祭の穴

2022-01-16 | music/classic
ストラヴィンスキーの「春の祭典」。
手元に1枚のレコードがある。1970年、中1の時に購入した「春の祭典」だ。1969年にズービン・メータ33歳、ロスアンジェルス・フィルの1枚。当時は2,000円を超えていたLPレコードだ。
1936年生まれのメータは、1958年にリヴァプールで行われた指揮者の国際コンクールで優勝し、翌1959年にはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してデビューし、大成功を収める。1961年からモントリオール交響楽団の音楽監督、1962年からロサンジェルス・フィルハーモニックの音楽監督に就任し、それぞれ1967年と1978年まで在任した。ロサンジェルス辞任後、ニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督に就任し、1991年まで在任した。

春祭は、33分前後の曲だが、複雑なリズムと不協和音が特徴だ。
1913年5月29日にパリのシャンゼリゼ劇場でピエール・モントゥーの指揮により『春の祭典』の初演が行われた。クラシックバレーの代表作、チャイコフスキー初のバレエ音楽「白鳥の湖」の初演が1895年だから20年しか経っていない。

この初演、100年を記念して発売されたのが、記念ボックス20CDだ。2012年11月発売。10年後の令和3年2021年6月に購入した。
イギリスの老舗レコードメーカー、デッカの録音群だ。
1946年昭和21年のモノラルから平成22年2010年のステレオデジタル盤に至るまで半世紀以上の35のシンフォニーが聞ける。

アンセルメの1950年と57年、ドラティの1954年と59年、81年、カラヤンの有名な63年と77年、デイヴィスの63年・76年、ショルティの74年・91年、ハイティンクの73年・95年、モントゥーの56年、メータの69年、トーマスの72年、マゼールの74年、アバドの75年、ラトルの77年、小澤征爾の79年ボストン、バーンスタインの82年イスラエル、デュトワの84年モントリオール、シャイーの85年、ブーレーズの91年、レヴァインの92年、アシュケナージの94年、グルギエフの99年、サロネンの2006年などだ。

毎日、とっかえひっかえ、朝と夜に聞いている。30分の至福の時。


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僕の音盤音楽日記1971-1976

2020-10-04 | music/classic
愛知県岡崎市生まれ、版画家・イラストレーターの牧野良幸の「CDジャール 僕の音盤音楽日記1971-1976」を図書館で見つけた。2007年3月発行。2000年7月から2004年4月号までの掲載分を収録。
1971年は、著者が中学2年生。その頃から集め始めたアナログシングルやLPレコード。4chステレオ、オープンリールデッキなどの音響製品を、その頃の思い出とともにイラストで綴る。1976年3月の高校卒業・大学入学までの音楽日記だ。

同世代なので、集めたレコードもかぶる。シングルのアンディウイリアムズの「ある愛の詩」やクライマックスの「花嫁」。廉価版のクラシックLPの数々。中学校で出会ったS&G、シカゴ、エルビス、ビートルズ。イラストのいがぐり頭の時代だ。エルビスのハワイ中継もあったな。著者は高2でピアノ。自分は、お年玉でギターを買ったなあ。
当時、2千円は超えたLP。お年玉で集めた、集めた。でも高かった。勇気がいった。市内に3件あったレコード屋へ通った。家と学校が生活のメインの青春時代。その空気も懐かしい。

高校に入ると、個性的な同級生が、それぞれのお気に入りのLPを持ち寄り、持ち帰る。自転車や汽車通学。ジョンレノン、ポールマッカートニー、ユーライア・ヒープやディープ・パープルなどのブリティシュ・ロック。また、チューリップライブや顔も知らない小椋佳、チリチリ頭の陽水、かぐや姫の2枚組ベスト。今でも同級生の顔や、学内での受け渡しの光景が目に浮かぶ。LPを持ち、校内を闊歩する。男女の区別なくそれがステータスだった。

自分の音楽日記と重ね合わせ、楽しいひと時が享受できる。ありがとう、牧野君。
左ページの背景は、どこかで見たような…。
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モンテ・クリスト伯 2-2

2020-08-23 | music/classic
32歳のモレル氏も14年の間に50歳になろうとしていた。経営も行き詰まり、2人の店員がいるのみ。妻と娘、軍人の長男の家族。唯一の頼みの綱、ファラオン号もしけで沈み、いよいよ不当たりを出す窮地に。いよいよその日、9月5日が来た。自殺をしようとするモレル。そこに「船乗りシンドバッド」から娘に手紙が届く。大金が入った財布。そして、沈んだはずのファラオン号が現れる。拍手喝采の一場面。30話「9月5日」
イタリアの謝肉祭を見物しようと来た子爵アルベール・ド・モルセールと友人の男爵フランツ・デビネーの2人。フランツは、近くの島めぐりをしていたが、船長から勧められ、モンテ・クリスト島で、船乗りシンドバッドの歓待を受ける。
宿の亭主は、2人が観光に訪れる道筋に山賊が現れるというのだ。その頭の名はルイジ・ヴァンパ。23歳の若者という。33話「ローマの山賊」
遺跡コリゼーを見学していた2人。フランツは、そこで聞き覚えがある声と遭遇する。それは船乗りシンドバッドの声だった。明日、処刑されるヴァンパの関係者を救う相談をしていた。
オペラ鑑賞に出かけた2人。フランツは、そこで桟敷で、その男、船乗りシンドバッドを見かける。
謝肉祭を前に、馬車の相談を宿の亭主と相談していると、同じ宿にいるモンテ・クリスト伯から馬車の提供を受けることになる。お礼に部屋へ向かう2人。
2巻は、34話「出現」まで。
脱獄、宝を見つけ、濡れ衣を確認。そして、皆の今を知るダンテス。カドルッス、モレルを救い、モルセール伯爵となったフェルナンとメルセデスの子アルベールに近づく。
2巻は、1956年2月1刷。1984年11月第33刷。

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ディランのノーベル賞と新年を迎えて

2017-01-01 | music/classic
そして、4回目のチャンスが、今回のノーベル文学賞だ。購入したのは2冊の本。2013年刊行、湯浅学の岩波新書「ボブ・ディラン‐ロックの精霊」


と2014年刊行「ボブ・ディランは何を歌ってきたのか」だ。


前者は、生まれてから今に至る遍歴と発表アルバムを組み合わせた。後者はディスコグラフィーだ。

新年の幕開けに、ディランの人生を読む。そして、この1年、ディランの音楽とともに過ごしてみるのもよいのではないだろうか。

15歳ほど年上の人生の先達だ。フォーク、プロテストソング、フォーク・ロック、ザ・バンドとの共演、ブルース、カントリー。時代は変わろうとも常に今を生きてきたディラン。それぞれの年齢に自分を投影する。冒頭の写真は、2001年のアルバム「Love and Sept」。ディラン60歳、還暦の作品だ。

The answer is blowin’ in the wind

そう、いつの時も、どんな境遇でも、その答えは風の中だ。自分で決めるしかないのだから。
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鶏鍋

2016-02-07 | music/classic
新聞に掲載されていた一品。すき焼きの鶏肉バージョン。こんなに砂糖と日本酒を入れてよいものか心配でしたが、全然OK。家人からは「大根をスライサーで千切りにして、入れてもいいよね」「白菜を入れてほしい」「鶏肉団子より鶏肉のそぎ切りがおいしい」など反響がすごくて、びっくりポンでした。豆腐も絹、木綿はお好みで。

材料2人分
鶏もも肉(1/2枚)・しらたき(小パック)(関東ではしらたき、関西では糸こんにゃく)・絹豆腐(小1/2丁)各100g、鶏モモひき肉150g、生シイタケ2枚、長ネギ1/2本、
A(水、かたくり粉各大1、塩少々)
B(しょうゆ・砂糖・酒各大3、水1カップ)

作り方
鶏肉はそぎ切り、しらたきと豆腐は食べよく切る。シイタケは石づきを除いて斜めに切り、ネギも斜め切りにに。ひき肉にAを加えまぜてボール状に丸める。
鍋にBを合わせ、下ゆでしたしらたきを3分ほど煮る。鶏モモと鶏団子を加えて4~5分煮て、他の具材を加えて2~3分煮て、汁ごと取り分ける。25分


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ひもくるりん

2015-09-27 | music/classic
ひもくるりん

超簡単ひも結束のひもくるりん。新聞,雑誌しっかり縛ってリサイクルがうたい文句。新聞で紹介されていた。値段は563円。


この手の商品は,市販されているのを探す労力よりも,通販で購入した方が楽。でも,使い方やそのうたい文句の是非はわからないのが難点です。でも563円という値段ですからね。買って,失敗してもいいかの世界です。

新聞や段ボールの梱包の紐結びは,上手い人は完ぺきなほどにきつく結ぶことができますが,不器用な私は,リサイクルボックスへ行く車の中でも紐がほどけるほどのいい加減さですから,た
めしに買ってみました。初めはコツを?めずにいたのですが,2回目からなんとかしっくりくるようになり,3回目以降はコツがわかり,手早く,ギュッと結べるようになりました。つまり,新聞紙が早くたまらないかと楽しみになりました。

このひもくるりんは,紐を手前に引く力と向こうへ引く力で紐をきっちり伸ばすことで,上手く紐をぐるぐる巻きにすることができます。

まず,20センチ余裕を持たせて手前に引きます。


そして,ひもくるりんをひっかけて,10センチを前に押しやります。ひもくるりんは,引く力と前に押す力の頂点となり,紐がぴんと張ります。


そして,徐々にひもくりんをぐるぐると巻き始めます。


すると紐がだまになり始めます。

新聞紙まで到達すると今度は紐が新聞紙に食い込み始めます。


そして,だまからひもくりんを抜きます。


だまが固まり,外れません。
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至高の音楽

2014-04-13 | music/classic
2013年12月9日発刊の「至高の音楽」。永遠の0(ゼロ)の作家,NHK経営委員として話題になった百田尚樹(ひゃくたなおき)は,1956年生まれというから同年代だ。中学時代のフォーク,高校時代のロック,そしてクラシックとつながる氏の音楽の系譜の中で,クラッシックの博識ぶりを披露する。

紹介されたのは,27の作品。ほんとうに物知り。その興味とともに付録のCDがいい。音楽には,その人その人に思い入れと思い出がある。私は,1988年,1991年新版と発刊された,今は亡き,志鳥栄八郎さんの「不滅の名曲はこのCDで」でCDを集めた。

確かに演奏時間の長いクラシックを数多く聞くのは,時間と体力と気力と知力が必要なので,つらいことが多い。でも,そこに身を置く幸せを知ると,これがいい。「至高」といわれる由縁だろう。新しい発見があるこの本を,ゆっくりと楽しみたいと思う。

紹介された27曲の中で持っていないのは以下のとおり
シューベルト「魔王」,ヴァーグナー「ヴァルキューレ」,パガニーニ「24の奇想曲」,ラヴェル「夜のガスパール」,マスカーニ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の5曲。また,聞く楽しみができた。
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風の姿

2013-12-15 | music/classic
「たまかな暮し」(2012.6)、「明日の友を数えれば」(2012.12)を読んで気に入った翻訳家、エッセイシストの常盤新平の長編小説『風の姿』を読んだ。1999年7月刊行。静岡新聞に1993年昭和68年の4月1日から翌1994年3月31年の1年間掲載された。1931年生まれの常葉が68歳のときの作品。地元紙だけあって、静岡県と、常葉のフィールド銀座、浅草の様子が2元中継で描かれる。

物語は、東京に住む23歳の野村京子が、静岡市の郊外、4月の白い花を咲かせているわさび田に駆け込むシーンから始まる。
その主、小津悠造と路子は、温かく京子を家族の一員として迎える。対人恐怖症・自閉症を抱える京子が、小津一家とのふれあいの中で、その殻を破り、小津家が紹介した親戚の東京の出版社に努める杉山健次と出会い、結婚する1年間をリアルタイムで描いた。

そこに常に家族がベースで描かれ横糸を紡ぐ。常盤を投影したと思われる、翻訳業の京子の祖父達夫76歳。そして、父の大学医師信夫50歳、高給取りのキャリアウーマンの母令子、信夫の恋人40歳の恵子が次々に登場する。

達夫のなるようで思いのままにならない家族への想い。父と母の離婚や恵子の出産など、善人しか出てこない常盤ワールドが描かれる。さわび田のきよらかな風景や静岡の名所とともに地元のお寿司やさん、銀座の喫茶店やおでんや、蕎麦やなど、常盤が得意とする食にまつわるエピソードが随所にちりばめられる。

老いと若さ、生まれ来る新しい命、夫婦、仕事。人は一人で生きられない。それぞれに出会いと別れを繰り返し、表には出さないが、悩みを抱えて生きている。でも、そこに生きがいを見つけ、日々を生きる。そんな姿でいいのだと著者はいう。苦しみもがく姿やバイオレンスなど小説の醍醐味はさまざまだが、本を開くたびに、すがすがしい風が吹く、こういう小説もよい。
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サクランボの頃

2012-05-12 | music/classic
3月末に満開だった桜の木に、多くのサクランボが実を付けてくれた。緑の実が赤く変わり、鮮やかな姿を五月の空に運んでくれた。
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音楽を文字に 白寿の評論家

2012-04-30 | music/classic
白寿というと「百」という漢字の上の横棒「一」を引くので、99歳のことを言う。ベストセラー新書の『50歳を超えても30台に見える生き方』の著者、南雲吉則からいわせると、人間の年齢の節目、いわゆる二乗でわかる人生の分岐点でいうと10の二乗、100歳である。

この白寿を前に、本を出版したのが、音楽評論家の吉田秀和だ。クラシックの大ピアニスト、ホロビッツをして、1983年(昭和58年)の初来日の演奏を酷評し、3年後の再来日時に、「鍵盤上の魔術師」と再評価した話は有名だ。80歳を過ぎたホロビッツが、一人の評価で発奮したという。

『言葉のフーガ 自由に精緻に』は2011年10月刊行。この吉田秀和のこれまでの多くの評論から、1950年(昭和25年)37歳の「ロベルト・シューマン」から1990年(平成2年)77歳の「マネの肖像」まで半世紀の歩みだ。

バルトーク、モーツァルトなど作曲家5人、パリ、ザルツブルク、バイロイトなんどの音楽の町訪問記、バッハ「ロ短調ミサ曲」やモーツアルト「変ホ長調交響曲(K543)」、ベートーベン「第9交響曲」などの曲評論5作、グレン・グールド、マルタ・アルゲリッチ、カルロス・クライバー、ジュゼッペ・シノーポリ、レナード・バースタイン、ヘルベルト・フォン・カラヤン、カール・ベームなどの演奏家11人。音楽と美術に対する造詣の深さはすさまじい。

巻末の年譜がすごい。大正2年(1913年)に東京で生まれ、24歳の時に、昭和12年に当時の内務省に就職。外国の新聞・雑誌の翻訳に携わり、シューマンの『音楽と音楽家』を翻訳する。昭和21年にモーツァルトの評論を発表。その後、現在まで連載や単行本などの数々。巻末の著書目録には、単行本60冊、講座・対談3冊、翻訳21冊、全集24巻、作曲家評論集6巻、新書・文庫13巻など。

ただ、厚さ4センチ、600ページの本はとても重たく、読書には不適ではないかとおもえるほどだ。

NHKのFM放送「名曲の楽しみ」は1971年昭和46年から続く長寿番組。土曜日の9時からの1時間。これもすごい。
とにかく、「すごい」としかいいようのない人生がここにある。
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