パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

まんがでわかる7つの習慣

2023-01-08 | book
スティーブン・R・コヴィーは、1932年生まれ、2012年に79歳で亡くなったアメリカの作家、経営コンサルタントだ。平成元年(1989)の著書『完訳 7つの習慣 -人格主義の回復』は38の言語に訳され、4,000万部以上の売上げ、日本でも240万部以上とされている。人生哲学の定番という触れ込みだ。

図書館で見てみたら「まんがでわかる7つの習慣」という本があったので借りてみた。2013年10月発刊。同年12月で4刷だ。

コヴィーの思想が、亡き父のバーを再開するため、アルバイトでバーに勤め始めた23歳の歩(あゆみ)や、店主や店に来る人たちを通して語られる。

1 他人を間違っていると批判するのは簡単だが、本当に自分が正しいのか。物の見方の基準を持て。とかく人は、他人や親、環境にせいにする。それでは前に進めない。こうしてみよう、直していこう、この人に任せてみよう。主体的な行動変容が大切だ。自分の影響力が及ばないエリアを悩むのは無意味だ。
2 人は何気なく毎日を生きている。ただ、方向性をイメージしているか? 自分ができることは何か? 自分が大切にしているものは何か? やりたいとこやりたくないことを明確にすれば、主体性が生まれ、目的の達成が近づく。
3 スケジュールをこなすことに囚われていないか。最優先事項を優先するという意識で行え。緊急でないが、重要なことが人生の栄養になる。
4 強いか弱いか、勝つか負けるか、物事は2択で決めがちだ。双方にメリットがある道が真の正解だ。そのためには人間関係が大切だ。人からの信頼が得られる信頼口座の残高を増やそう。方法は6つ。相手を理解しよう、思いやりや礼儀を大切にしよう、約束を守ろう、誤解を生まないようにしよう、誠実さを言動で示そう、過ちは心から謝ろう
5 相手を理解しない人は理解してもらえない。話すことより聞くことから始めよう。
6 シナジーとは個の和より大きな成果を得ること。妥協、ま、いいかは、小さな成果しか得られない。その本質は違いを尊重することにある。そもそも生まれや育ちの環境が違うのに考え方や見方が違うのは当たり前。自分の能力や考え方の違いの限界を認めて、相手の長所から学ぶことが大切。シナジーを生むコミュニケーションには忍耐が必要。Aさん案、Bさん案ではなく、両方が得する案が第3の案だ。
7 一日一歩でもいいから進もう。それを習慣にすれば、5年10年後その差は大きくなる。そのためには自分が変わる用意があるかどうかが大切。自分を育てよう。肉体(運動で身体をメンテナンスしよう 1も続けやすい)、精神(自分の心と向き合おう 2の自分への反省と関係する)、知性(3に基づき自分の目的や価値観に合った番組や優れた本を読むようにする)、社会性(仕事やボランティアなどで公的成功を目指そう 4・5・6・のために必要)の4つの側面で刀を研ぐ習慣だ。

1・2・3 自立(私的成功)が身に付いていなければ、4・5・6 自分一人では成しえない大きな成果を実現する(公的成功)は身につかない。

還暦を過ぎた私が、今さら人生哲学かとも思ったが、気付きを恐れてはいけないし、それに刺激を受けて、少しでも自己変革できればよいと思った。それは、死ぬまで続くことになる、続けなければいけないと思うのだ。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

俳句がよくわかる文法講座

2023-01-01 | book
明けましておめでとうございます。俳句親しんでから昨年11月で4年目に入った。作るよりも読む方が性に合っているのか、季語という空気の中で、五七五のリズムを刻む17音の最小の詩情に触れるのが心地よい。

四季と、言葉という伝統に則り息づいてきた俳句。言葉として残された作品群の世界には、今でも触れることができる。ところが、17文字の表現方法である文法は、生活の中では、形を変えて今に至っている。つまり、措辞も時代とともに変化しているのだ。

その変化を文法という切り口から俯瞰したのが「俳句がよくわかる文法講座」だ。2022年(平成4年)7月刊行。1961年生まれの大学教授の井上泰志と1983年生まれの大学特任教授の堀切克洋だ。お二人とも俳人で、章やコラムを分担する共著だ。1部が基礎編、2部が実践編。全14章からなる。

基礎編では、なぜ文語文法が俳句に必要なのか。俳句の詠み方・読み方を文法の視点で考えよう。俳句独自のスタイルを意識しよう「たり」「なり」「をり」「あり」。
実践編では、文語は、文章などに豊かな表現を与えるための一連の技法(レトリック)だ。音数の極端に短い俳句には、ことばのあやが大きな意味を持つ。俳句の表記としてのかな・漢字・アルファベット、句読点・記号・改行、旧字・新字・ルビ。時間的表現を考える(アスペクト、過去と完了の違い)。文語体の歴史(古代から中世、近世から現代)。歴史的かなづかい(母音、濁音、長音。拗音)。

俳句を読むために、文語・文法を、佐藤郁良著の「俳句のための文語文法入門」平成23年(2011)12月で学んだ。今でも実用書として座右の本だ。一方、本書は表現の変遷を含めて文語の理論として難易度が高い。しかし、巻末の俳人・歌人名索引にあるように、多くの句を引き出して、その空気を具体に理論づける手法にうなずくところも多かった。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする