パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

山本一力 あかね雲

2023-11-26 | 山本一力
直木賞作家の山本一力。昭和23年1948年生まれの75歳。私より10歳年上の彼が、「蒼龍」で文芸誌の新人賞を取ったのが、平成9年1997年49歳の時。そして「あかね雲」で直木賞が2002年平成14年54歳の時だ。略歴では、14歳で上京、十数回職を転々とし、借金トラブルを抱え、起業するも倒産。山あり谷ありの人生。

山本一力の平成13年2001年10月刊行の「あかね空」を読んだ。直木賞作品。

江戸の深川が舞台。京都郊外の貧農の三男の永吉は、12歳で豆腐屋で修業を始め、25歳で一人、京都から上京し、江戸深川蛤町で豆腐屋を始める。その長屋に住む桶職人源治とおみつの一人娘おふみ。この二人を軸に温かく見守る人たちと邪魔をしようとする人たち。
永吉とおふみは結婚し、子どもも栄太郎、悟郎、おきみの3人授かり、豆腐屋の「京や」を成長させるも、思いの行き違いから夫婦の心は徐々に離れていく。子どもたちも両親の諍いから悩みを深くしていく。そして、登場人物は次々と亡くなっていく。

永代寺前の豆腐屋の相州屋の清兵衛と妻おしの、商売敵として登場する老舗の豆腐屋の平田屋の庄六。そこから仕入れた豆腐を売り歩く棒手振の嘉次郎。相州屋のおしのと昵懇の料理屋の江戸屋女将の秀弥。永代寺の賄いの西周。賭場を取り仕切る傳蔵。穀物問屋日本橋の広弐屋など、個性的な人々が一家とかかわりをもっていく。

小気味の良い短めのセンテンス。展開も早い。その中でそれぞれの心情が丁寧に描かれていく。

街では豆腐が売れない永吉。嘉次郎はおふみに、お寺に豆腐を売り込んだらと進言する。
平田屋は相州屋をつぶそうと画策する。相州屋は25年も前に、一人息子を4歳の時、人さらいにさらわれていた。相州屋は永代寺に納めていた豆腐を京やに変えてくれと、寺の賄いの西周に申し出る。
相州屋清兵衛の死。平田屋は相州屋を手に入れようと画策する。おふみは湯豆腐を料理屋の濱田屋に売り込む。おしのは、20年経って息子が現れなかったら店を京やに譲ってほしいと言い残し江戸を去る。
豆乳、種豆腐。おふみは種豆腐を料亭の江戸屋に売り込む
悟郎が生まれてすぐに源治が事故で亡くなる。おきみの三歳の時におみつが無くなる。そして永吉とおふみも。賭場を取り仕切る傳蔵。傳蔵に京や乗っ取りを働きかける平田屋庄六。傳蔵は4才の時に女壺振りにさらわれていた。
コメント
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