パンダ イン・マイ・ライフ

ようこそ panda in my lifeの部屋へ。
音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

おまけ その2

2012-02-26 | audio
月刊誌「ステレオ」2012年の1月号の付録、ラックスマンのデジタルアンプは「LXA-OT1」。手のひらサイズで、本体の基盤、専用のアクションアダプター、自立用の支柱、透明のカバーという4つのパーツが、ダンボール箱に入っていた。




組み立ては簡単で、支柱とカバーを基盤につけるだけ。

基盤、専用のアクションアダプターには、ラックマンのロゴ「L]つき。


端子は音声出力が赤白2系統、入力は1系統。スイッチとボリュームが一体で、その右横にオンオフランプもついていて、ほのぼのとしたオレンジ色の灯りがいい雰囲気だ。パソコンのイヤフォンジャックに入力端子をつなげ、音声出力はヤマハの10MMにつなげた。これがなかなかのすぐれもの。ユーチューブのベームのウィーンフィルでべト5「運命」を聞くが、弦の音がクリアで、管もきらびやかな音がしている。インターネットもいいサウンドを提供してくれる。パソコン内臓のスピーカーでは物足りないサウンドが、これほどクリアで、臨場感にあふれ、低音もぐんぐんいくのだろうか。寺島靖国先生のジャズ・バーシリーズでピアノを聞くが、重く、シャープに聞くことができる。恐るべしラックスのデジアンプ。1月号は定価2800円。通常1000円を切る雑誌なので、3倍の価格とはいえ、これだけ楽しめればよいのでは。週末の音楽の楽しみがまたひとつ増えた。

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おまけ その1

2012-02-19 | audio
「おまけ」というと何か軽い。すぐに壊れる、だめになるというイメージがある。しかし、50歳代のわれわれは、何がしか特別の思いがある。机の中の小箱や押入れに大切にしまってある人もおられよう。

古くは、グリコのおまけ、狼少年ケンの起き上がりこぼし、丸美屋ののり玉ふりかけの8(エイト)マンのシールがあった。何より、少年雑誌の正月号は、年に1回、雑誌を買うならこのときしかないというほど、たくさんの付録があった。「少年」「少年画報」「ぼくら」など、雑誌社が中身を競った。たしかに、すぐにだめになるものもあったが、それはあくまでも付録なので、仕様が無いという思いがあった。

「ステレオ」は、音楽之友社が出している月刊誌、1963年昭和38年創刊。中学時代は、国産のメーカーが出しているスピーカーやアンプなど、セパレートのオーディオが花盛りで、もちろん買う金もない田舎の生徒には、ダイアトーン、ローディ、トリオ、ビクター、オンキョー、ヤマハ、デンオン、テクニクス、パイオニア、サンスイ、ケンウッド、ソニー、オットー、オーレックスといったメーカーの宣伝紙面を見ているだけで幸せだった。ほんとうに多くのメーカーが競い合った花形時代だった。もちろん、ハンドメードのコーナーや視聴室といったオーディオの本道から、レコード評や店の紹介といった楽しみな欄もあった。アメリカのブラスロックバンド「シカゴ」の4作目ディスク「カーネギーホール」の評を切り取り、大切にしていたのを思い出す。

そんな「ステレオ」の2012年1月号に、なんと「ラックスマン」のアンプが付録でついているというので、早速買った。

「ラックスマン」は、日本のオーディオメーカー。1925年創業というから、大正の終わり、14年から100年近い歴史を持つ。特にアンプは有名で、そのスタイル、音色に人気が高い。
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97歳の現役詩人「希望」

2012-02-12 | book
1914年生まれというと今年97歳。50半ばのわたしには、とても想像できる年齢ではない。その現役詩人が、杉山平一である。朝日新聞の「著者にあいたい」というコラムで、氏の新刊「詩集 希望」が取り上げられた。

昨年11月の発刊。図書館で借りた。現代に生き、公園、電車、道端など、そのなにげない町の風景に彩られた日々の感覚が綴られる。18歳のころを歌った「家出」。幸せについて語る「待つ」「気づかずに」。何気ない毎日にやすらぎを見出す「帰途」。人生を語る「今」「バスと私」。そのほかにも日常の生活の中で感じた感性が63編の詩に込められる。
97歳の心は、かくもみずみずしく、我々に人生を諭し、問いかけ、語ることができるのか。4年前に妻を亡くされ、氏自身も脳梗塞の後遺症に悩まされているという。
97歳というと、私の年齢からは、あと40年以上もある。私も、あと何年生きられるのかわからないが、氏の暮らしは1日1日の積み重ねによりできたものであり。この詩集もそうだ。死の直前まで、氏のような感性を失いたくないと思う。

巻末には、この詩集を「希望」とした理由が書いてある。第1番目の作品名である。
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男性80歳時代のまんが絵日記『はげまして はげまされて』

2012-02-11 | book
男性の平均年齢、人生80歳時代。93歳、大正7年(1918)生まれの青森のおじいさん竹浪正造さんが、、昭和29年の大晦日から書き続けた絵日記。いまや2,300冊という。

その中から傑作集として出たのが『はげまして はげまされて』(93歳正造じいちゃんの56年間の絵まんが日記)だ。2011年10月に出版された。

正造さんが36歳の頃、第3子の長男が生まれたのを機にまんが日記は始まる。昭和30年代の高度経済成長期の昭和の家族の歩み。その頃の親子の絆がここにある。小学校入学、進学、就職、結婚、孫の誕生と一家の成長がここにある。ひとつの幸せのあり方がある。笑顔と感動の文章で綴られる絵日記。ほんとにいい雰囲気が伝わってくる。

その後、昭和62年に奥さんが62歳で逝去、その落胆は日記にも痛々しく見て取れる。そして、平成18年に今度は長女さんが、奥さんと同じ62歳で逝去される。多くの孫、曾孫を見て過ごす正造じいさん。やはりパートナーのいない寂しさは、つらいものがある。

一日、一日を区切りとして暮らす感謝の姿。生まれながらにして、死へのカウントダウンが始まる人生だからこそ、93歳は積み重ねにしか過ぎない。先の南雲吉則の『50歳を超えても30代に見える生き方「人生100年計画の工程表」』にもつながる感謝の心だ。
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宮部みゆきの『日暮らし』

2012-02-05 | book
宮部みゆきの『日暮らし』。平成12年(2001年)から平成15年(2004年)にかけて月間文芸誌に掲載された。前作『ぼんくら』の続編。上下2巻。2005年に発刊。
八丁堀同心の井筒平四郎、平四郎付きの手下小平次、甥の弓之助、岡っ引きの政五郎、政五郎の家にいる三太郎愛称「おでこ」が活躍する。この本から読めるのだが、やはり、前作との流れがあり、2作は、ひとつの作品といってよい。

平四郎が、「おでこ」の記憶力を手助けに、殺人事件を解決する「おまんま」
佐吉とお恵の結婚後の生活を描く「嫌いの虫」
佐吉の母、葵が、その元に転がり込んできたお六親子の窮地を救う「子盗り鬼」
平四郎の馴染みの煮物屋お徳にライバル現る。「なけなし三昧」。
佐吉が葵を殺した?。長編の「日暮らし」。弓之助、政五郎、おでこ、それに小平次。平四郎のチームプレーで真犯人を捕らえる人情ミステリー。
「鬼は外、福は内」。一件落着の平四郎チーム。なごやかなひと時が訪れる。

人情の機微を、季節の食材もふんだんに取り込み、織り成す人間模様。ほっとできる連作群。続編が楽しみだ。
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